ユキノの雑語りブログ

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グランベルムを語りたい


皆さんは『グランベルム』を御存知だろうか?そうあの『グランベルム』である。今回はそんな隠れた名作『グランベルム』を紹介したりしていこうと思う。

『グランベルム ~プリンセプスのふたり~』

『グランベルム』は2019年7月~9月の夏クールにTBSのアニメイズムで放送されていたアニメである。前クールには『川柳少女/みだらな青ちゃん』が放送されていた枠である。また同時期には『まちカドまぞく』や『Reステージ!ドリームデイズ』、『魔王様、リトライ!』などが放送されていたクールである。
正直番宣を見てた頃は「まーーーーーたまどマギみたいなギスギス魔法少女アニメやるのかよ」と思っていた。しかし『グランベルム』は違ったのだ。いや違わないけど違ったのだ。昨今の『まどマギ』から来るグロテスクなものではなく、純粋に魔法少女×ロボット×バトルロワイアルものなのである。
と言うか下に書いてあるあらすじなどを読んでもらえば分かるがこの作品はかなり『仮面ライダー龍騎』である。

TBSはこの前年に『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』を放送し、さらに『グランベルム』と同時期に再放送。そして1週早く『レヴュースタァライト』が終わったので『グランベルム』の最終回をその枠に移動させて放送するなどかなり龍騎が好きなのかもしれない。
実際に企画会議で龍騎の名前が出たり、最終回をダビングし終えた監督が「これ仮面ライダーじゃん」と思ったほど平成ライダーをしており、『仮面ライダー龍騎』をしている。(詳しい事は「グランベルム インタビュー」と検索すると出てくる渡邊監督のインタビュー記事を読んでいただきたい)
監督は『Re:ゼロから始める異世界生活』の渡邊政治、脚本は『アイドルマスターXENOGLOSSIA』や『宇宙よりも遠い場所』で有名な花田十輝である。

ちなみに副題である『プリンセプスのふたり』は公式Twitter及び公式HPではハブられたりしている副題だが一応Blu-rayなどでは明記されているので特に気にしなくても良い(一応本編に関わるものではあるが)

あらすじ

学校に弁当忘れて帰ってしまった事に気が付いた「小日向満月」はその夜に弁当を取りに学校へと向かった。そして弁当箱を見つけ、持ち帰ろうとした時にふと窓の外を見ると綺麗な赤い満月が上がっていた。すると辺りが謎の空間に包まれ、同時に窓の外に巨大なロボットが現れる。帰ろうにも携帯は圏外で通じず、他にも居た巨大ロボットに追われる羽目になってしまう。そんな中黒いロボット「ヴィオラカッツェ」に助けられ、そしてそのパイロットである「新月・エルネスタ・深海」に出会う。そして満月は新月からこの空間で行われている「グランベルム」と言う物を知り、同時にその戦いに巻き込まれていくのであった。

登場人物

小日向満月

今作の主人公。他のキャラクターとは違いごく普通の女子高生。他人から頼まれたことは何でも引き受けてしまう性格。作った料理の味は「普通(新月の感想)」であり、弁当を忘れた同級生に弁当をたかられる事がある。自分には「何もない」事にコンプレックスを抱いており、「何か」を見つける為に巻き込まれる形でグランベルムに参加する事になる。「グランベルム」に勝利した際の願いは「新月の願いを叶える」。使用アルマノクスは「ホワイトリリィ」。


新月・エルネスタ・深海(シンゲツ・エルネスタ・フカミ)

今作のもう一人の主人公。クールなキャラクター。両親はおらず、幼少期は「フーゴ家」で暮らしていた。その後はドイツで生活をしていたが本編開始前に日本に戻ってきて「グランベルム」に参加する。強力な魔力を持つため幼少期から魔術に長けており、作中ではアンナに気付かれないように魔法を使ったり、弁当を取りに行ったまま戻ってこなかった満月を心配していた家族の記憶を改ざんし満月を説教から回避させたりさせていた。しかし魔術以外の事はとことん天然のポンコツであり、満月の高校に転校してきた時はランドセルを背負って登校し(ランドセル登校は小学生までなのを知らなかったからであるが)、転校の挨拶ではランドセルがキチンと閉まって無かった為お辞儀をした際に中身が全て出てしまったり、料理をしようと野菜の皮むきをした際は何故か野菜を粉々にしてしまったりする。また作中では物語開始から終了までが約半年なので終盤では序盤に比べ胸が異常に成長している。非常に食欲があるのか作中何度も食事シーンを見せる上に買い食いにまで手を出し癖になりかけている。「グランベルム」に勝利した際の願いは「この世界から魔力を失くす」。使用アルマノクスは「ヴィオラカッツェ」。


アンナ・フーゴ

フーゴ家の長女。フーゴと言う名前だがジョジョ5部に出てくる美味しそうな名前をしてる男とは関係ない。幼少期は共に暮らしていた新月と仲が良くよく遊んでいた様だが、いつしか新月に嫉妬し憎むようになっていた。家が魔術の名家だからか物語序盤では水晶、ロサを配下にしグランベルムに参加していた。本人にはかなりの実力があるようだが実は魔術の才能は無いに等しい。「熱い」と言いながら氷で満たした水風呂に浸かったり、自分の魔力の真実が母から明かされた際に斧を持ち出し母親を襲撃しようとしたり、戦闘中に高揚した際は何故か「アドレナリン!ドーパミン!エンドルフィン!」と叫び出すなど非常に濃い行動を見せてくる。妹、クレア・フーゴには優しく接している為家族思いな一面も伺える。新月を倒す事が目的になってしまっていた為「グランベルム」に勝利した際の願いは「不明」。使用アルマノクスは「アークナイトグリス」。


林寧々(リン・ネネ)

林三姉妹の長女。苗字は「ハヤシ」ではなく「リン」。香港から日本に来日しグランベルムに参加している。実際は成人を超えているがとある理由から身体の成長が止まってしまっている。その為、満月の妹、希望が通う中学校に登校している(戸籍的にどうなのかとかはツッコんではいけない)。グランベルムでは基本隠れて遠距離からの攻撃をする戦術を取っている。小日向家に遊びに来た際に偶然満月がグランベルムに参加しているのを知った為後日改めて非常に怪しい恰好で偵察をするが、バレてしまったなどの要因もあり自らの正体を明かし、宣戦布告をする。非常に面倒見の良い面もある為物語終盤まで様々な活躍を見せる。「グランベルム」に勝利した際の願いは作中明確に語られてはいないが自分達の元から去り、再会した際に記憶を失っていた母親であるリン・フェイフェイに関するものだと思われる。使用アルマノクスは「ジーグァンロン」。「こういうゴチャゴチャした戦いは好きじゃない」


土御門九音

陰陽師の家系である土御門家の次女。姉である四音がグランベルムで何者かに呪いをかけられ昏睡状態となったため、姉に呪いをかけた人物を探すためにグランベルムに参加する。何者かに狙われている描写があるが詳細は不明。希望や寧々と同じ学校に通っている。非常に物静かであり普段は外で一人で音楽を聴いたりしている。初めは単独行動をしていたが満月、新月接触した後は共闘するようになる。グランベルムに勝利した際の願いは「姉を呪いから解放させる」。使用アルマノクスは「雪月梅花」。


ロサ

アンナの弟子としてフーゴ家に居候している人物。この作品における仮面ライダーシザース枠。作中及び公式HPでも「ロサ」としか表記されていない為フルネームは不明。フーゴ家で暮らしているがアンナに対してはあまり良い感情を持っておらず、相方の水晶ともアンナの配下なので組んでいるだけでありあまり相性は良くないようである。英語の慣用句を多用する為英語圏出身の人物と思われる。満月の初陣で撃墜されそのままグランベルムから退場、挙句フーゴ家を追い出されてしまい本編には殆ど出ない為目的なども不明。ただし(様々な理由があったとは言え)新月をかなり追い込んでいたためそれなりの実力者だと思われる。物語終盤まで見れば分かるが色々あって本作の中でも数少ない勝ち組である。使用アルマノクスは「クレストアンス」。


袴田水晶

ロサと同じくアンナの弟子としてフーゴ家に居候している人物。のらりくらりした人物の為常に相方のロサが貧乏くじを引くハメになっている。グランベルムに勝利した際の願いは「不明」。使用アルマノクスは「ドロセラノクターン」。「小日向満月ゥ!」


アルマノクス

グランベルムの参加者が使用する『魔力増幅器』。1000年前グランベルムから存在しているらしくロストテクノロジーである。物理的な仕掛けは無く、魔石などを使い使用者の魔力を増幅させる作りになっている。それぞれに属性が存在し搭乗者のイメージを具現化する作りになっているため武器などは基本搭乗者のイメージに依存する。また搭乗者の状態によっては戦闘中に「覚醒」し姿を変える事がある。またそれぞれに使い魔が存在している。


ホワイトリリィ

小日向満月の使用する光属性のアルマノクス。基本装備は実体の無い剣「水面の剣(みなものつるぎ)」。また搭乗者である満月の状態によっては肩から実体のある剣「血水の剣」を出せる。この剣は全アルマノクスの中でも最強の火力が出せる。1話の時点では使い魔が存在しないが後に「オルカ」と契約する。


ヴィオラカッツェ

新月・エルネスタ・深海の使用する闇属性のアルマノクス。基本装備はビームショットガン兼ビームソードの「ブリッツ・ナーゲル」と尻尾を使う「ルーヴェン・シュヴァンツ」。攻撃力が全アルマノクスの中で2番目に低い為魔術で相手を拘束したり新月の戦術などで補っている。使い魔は「グロウス」。


アークナイトグリス

アンナ・フーゴの使用する炎属性のアルマノクス。基本装備はハルバード状の武器である「ハルバード・インビエルノ」。ホワイトリリィとほぼ同じ火力が出せる上にアンナの暴力的な戦い方もある為武双が少ないのに非常に強い(もっとも平時で舐めプの新月と同等くらいではあったが)。使い魔は「エンバーズ」。


ジーグァンロン

林寧々の使用する地属性のアルマノクス。基本装備は長距離ビーム砲の「超龍王如意大流星火砲」。他のアルマノクスに比べて3倍近く大きい為動くことが無く、普段はステルスバリアを使い身を岩陰に潜み、上記のビームで攻撃をする。巨体故に火力も全アルマノクスの中でもトップクラスである。使い魔は「ロンガン」。


雪月梅花

土御門九音の使用する重力属性のアルマノクス。基本装備は扇状の「陰陽扇 飛梅(おんみょうせん とびうめ)」。全アルマノクスの中でトップクラスのスピードが出せる。また重力を操る魔術で相手の動きを止める事も可能。使い魔は「跫音空谷」。


クレストアンス

ロサの使用する風属性のアルマノクス。基本武装は巨大な半月の武器である「ナジャ・ブーメラン」。性能は全アルマノクスの中で最も平均的。最終的には不発になってしまったが竜巻を起こし分身しながら攻撃をする必殺技『テンペスト・ダイヴ』と言うものもあり直撃すると町一つが吹き飛ぶ威力を持つ(もっともこの時に紋章が出ていた為覚醒状態であった可能性もある)。風使いで最初に倒される為「冥王計画 ゼオライマー」の「風のランスター」を彷彿とさせる。使い魔は「ストライジス」。


ドロセラノクターン

袴田水晶の使用する呪詛属性のアルマノクス。基本武装は「女莫(女偏に莫)母の杖(ばくぼのつえ)」。ちなみにこの杖のデザイン元は仮面ライダー王蛇の「ベノバイザー」。全アルマノクスの中でもっとも火力が低いが、幻術などを用いた戦術を使う為敵に回すと非常に厄介なアルマノクス。使い魔は「メデューサ」。





とまあここまで長々と紹介文を書いたがぶっちゃけこれを読むより本編を見てもらった方が早い、というかそっちの方が一ファンである私としても嬉しい。


ではここからはネタバレ込みでの個人的な感想になる。

個人的な感想・評価

まず率直に言うと面白い。脚本、ロボ込みの作画、演出、どれを取ってもとても完成度が高いアニメである。やはり花田脚本はロボアニメになるとめちゃくちゃ面白いのでもっと書いてほしいと個人的には思っていたりする。仮面ライダー龍騎とが好きなのもあって今作のオチである「全てが書き換わっても関わってきた人間達の関係は変わらないものである」と言う描き方も非常に好きであり、話題にならなかったのが本当に悔やまれる作品だなと思う一本だと非常に思ってしまう。

ただ、好きな作品だからこそ「ここがこうならもっと良かったのにな」と思う部分があるにはあり
・キャラをもう2人ほど追加して2クールやれば良かった
・出すだけ出して結局放置された回想が多かった
・ロサ
の3点である。(例のパロディも賛否はあるが今回は触れないでおく)
上記の3点の内2番目は新月・九音・寧々の3名の事であり、せっかく掘り下げられそうな過去を出したのに(尺の関係もあってか)結局掘り下げられないまま終わってしまったのは素直に残念であり、この辺りは他の花田脚本作品見てても時々思う事ではあったりする。花田脚本は過去よりも今、そして未来を大切にし向かっていくストーリーが多いので単に本人がその辺りを得意としていない可能性もあると個人的には思ったりするわけだが。
そして3点目も同じく「ロサ」と言うキャラクターはフーゴ家にも関わる人物であり十分掘り下げる要素があっただろうなと思うと残念でならない部分である。まぁ、1話で退場して以後グランベルムへの参加権を失う為仕方がない事ではあるのだが。
この2点を踏まえるとやっぱり個人的には「2クールの尺があればもっと良くなっていただろうな」と思ってしまうのである。

またこれは作品への批判では無いのだが、「満月に撃墜されたキャラはグランベルムの参加権は失うが消滅することは無かった」と言う点も個人的には見てて面白い共通点だったのでこの辺りも活かしてほしかったなと思っていたりする。(単に脚本の都合でたまたまだったかもしれないが)



まとめ

と個人的な批判点を書てしまったがこの作品はそれ込みでも十分面白い作品であり、『ラブライブ!』や『宇宙よりも遠い場所』と言った作品にある花田作品特有のクセも少ない為非常にオススメな作品である。

今回わざわざこの記事を読んで気になった方もそうでない方も是非一度見ていただきたい。

そしてもう見たよと言う方は是非ともこの作品の魅力をもっと広めていただきたい。

と言う事で今回の記事はここで終わりである。





そう言えばそろそろアルマノクス各種の模型も出してください、メガスマさん。


〈追記〉
2022年6月18日
もうしばらく時間が経ちましたけど本当にメガスマさんからホワイトリリィとヴィオラカッツェのキットが発表されましたね。嬉しいことです。(レガリアもお願いします)