
皆さんは2025年末に公開された『この本を盗む者は』という映画を観ただろうか?
ボク自身観に行こうと思いながら中々観に行くタイミングが無く、気付けばほとんどの映画館で上映終了していたため、1月18日に新宿で観たのであるが、これが本当に面白かった。正直『トラペジウム』の時みたいにもっと伸びてもよかったと思えるほどである。
というわけで今回は本作の感想を書いて行こうと思う。
なお、本ブログの注意点として原作は読んでいないのであくまで映画単体での内容の評価であり、また、ネタバレを含んでいるという部分を留意してほしい。
それでは始めていこう。

あらすじ

主人公・御倉美冬(みくら みふゆ)の曽祖父は本の収集家であり、その豪邸に様々の本を収蔵した巨大な書庫を持っていた。過去、その書庫は解放されていたのだが、ある時から完全に閉じた、御倉の人間以外立ち入ってはいけない場所となっていた。そんな場所であるため街の人間が皆本を読む事が大好きな街・読長町(よむながまち)。そんな街に住む美冬は本が嫌いな少女であったが、父親が骨折して入院したため、代わりに書庫の監理と叔母・ひるねの世話を任されてしまった。しかしある日、何者かが書庫に侵入し警報が鳴った形跡があった。叔母のミスかと疑った美冬だったが、そこで謎のしおりと共に現れた真白と出会い、そして同時に超常現象を目の当たりにする。そこで御倉の書庫の本に掛けられた、外部の人間が本を手に取る事で発動する「ブックカースの呪い」を知り、そしてソレを解くために、美冬は盗まれた本を取り戻すために本の世界に入り奔走していく。
本作の感想

本作はまずなんと言っても一本のアニメ映画としての完成度が非常に高い。本作の監督である福岡大生監督は過去に『神クズ☆アイドル』というアニメの監督をやっているのだが、そこで見せていた会話や話運びのテンポの良さが本作でも発揮されている。
物語中盤まで発生するブックカースの呪いを解くために本の世界に潜るパートはとにかくテンポの良さが生きており、訳が分からない状態で進みながらも端的にその本がどういう物語なのかや、美冬が何をするべきなのかをキチンと描写しているのが特徴だろう。「訳が分からないまま進んで行く」という部分も、美冬と同じ感覚になれるため、映画体験における一体感に一役買っていた。また、視覚的な面白さもとにかく活かしており、画として起きている事象を面白くなる様に描写し、同時に、本の世界ごとに世界観の演出(色調など)を計算して描いていた所もかなり面白かったと感じる。
本作の前半の本の世界のテンポの良さや、段々と明かされていく真実、そしてコンセプトは『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』と似ている物であり(というのは浅薄な考えだろう)、正月早々観た『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』と同じ様な楽しさを持っていた。『この本を盗む者は』を観た人は是非とも『仮面ライダーセイバー』と『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』を見てみるといいだろう。
また、終盤のシーンは『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』の決戦シーンだったので、こちらも確認してみてほしい。
一方で、85分という尺で収めている関係上、少し描写が足りない様に感じた所もあった。やはり気になったのは「何故本泥棒達は適格にあの本を選んだのか」と「祖父が自身の死後に特定の本を神社に奉納する様に契約していたのか」、そして「真白はどういう存在なのか」の部分である。どれも作品としては結構重要な部分だと思われるのだが、最初の物は特に触れられず、二番目も「そう言う事になっていた」以上の言及がされないまま終わってしまう。そして三番目も「美冬が幼い頃に描いた物語のキャラクター」という部分は語られているのだが、何故実体化しているのかや、本作のキーパーソンである読長町の神様との関係などは語られる事が無かった。もしかすると原作の方では描写されているのかもしれないが。しかし、その性質や、終盤何もかもを失った美冬を救うラスボス攻略の鍵になった辺り、恐らく真白の正体はプリミティブドラゴンワンダーライドブックなのだろう。

また、終盤存在そのものが消滅した御倉ひるねを美冬自身も特にあまり気にしていなさそうなのも少し引っかかった部分である。ラストシーンを踏まえると、やはりもうワンクッション叔母に対する何かを美冬がするべきだったのではないかと思ってしまうものである。
そしてなんと言っても本作はキャラクターデザインが非常に良い。
美冬や真白が可愛いのもそうなのだが、何より一番刺さったのはひるね叔母さんである。
kononusu.com
皆さまも上記サイトリンクから飛んで見てほしいのだが、東山奈央ボイスのノースリーブセーターで巨乳で眼鏡キャラでゆるふわ系お姉さんという性癖の全てをぶち込んだ様な御倉ひるねの破壊力は絶大である。
そしてこの御倉ひるね。作中の消滅するシーンで眼鏡が先に消えるというありえない消え方をしていく。非常にシリアスな場面なのだが、眼鏡キャラが消滅するシーンで眼鏡が先に消滅してから消えていくというありえなさすぎるシーンは不意討ちすぎて笑ってしまったシーンである。眼鏡キャラが消えるシーンは大体眼鏡と共に消えるか眼鏡が遺品として残るのかの二択なのに対して、眼鏡が先に消えてから消滅するというシーンを皆是非とも見てほしい。本当にありえなくて笑うので。
また、本作はその特性上街の人達が物語の登場人物に当てられて、本人とは全く違うキャラクターを演じるという物があるのだが、これも担当した声優さん達は本当に楽しかっただろうなと感じられる物になっている。
そして主演の二人は所謂タレント声優枠なのだが(真白役はなんと『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のオトちゃん)、両者ともに非常に上手く、ハマっていたため、所謂タレント声優の引っかかりという物を感じない演技になっていた。
まとめ

いかがだっただろうか?
本ブログを投稿している1月20日時点でほとんどの映画館では公開終了しているのだが、ほんの少しの映画館だけは22日の木曜日まで公開しているので、まだ観ていなくて行ける方は是非とも観に行ってほしい。
個人的に年始一発目で映画館でコレが見られたのは非常にいい映画体験だったと思うモノである。
とにかく85分(約90分)のアニメ映画としては物凄く丁寧にかつ面白く作ってあり、完成度の高い作品であったため、満足感の高い作品となっていたので、個人的には見た方がいい映画の一本として強くオススメしたい作品である。
というわけで今回のブログはここまでである。
それではまた次回のブログで。
ノシ