ユキノの雑語りブログ

ただのオタク

大人にこそ見てほしい特撮ドラマ『ウルトラマンブレーザー』


皆さんは『ウルトラシリーズ』を御存知だろうか?
1966年に始まった『ウルトラQ』をシリーズ第1作として、今現在においてもシリーズ展開をしている日本を代表する特撮作品である。
余談だが、当時は『ウルトラマン』の後番組であった『キャプテンウルトラ』も含まれていたが、こちらは円谷プロではなく東映なためシリーズには含まれておらず、また『ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説』と『ウルトラQ dark fantasy』は円谷映像が制作しているため現状はシリーズには含まれてはいない。(ただし『ウルトラQ dark fantasy』はウルトラシリーズを紹介する図鑑には含まれていたり、今作初出のレキューム人は後年の作品に登場したりする)

そんな『ウルトラシリーズ』の最新作が『ウルトラマンブレーザー』である。(2024年1月現在)
このブログ公開時にはこの作品は放送を終了しているのだが、毎年恒例の劇場版が控えているため、そのためにも本作の魅力を少しでも伝えられたらと思う。

というわけで始めていこう。

ウルトラマンブレーザー』とは何なのか?

まず『ウルトラシリーズ』を知らないと言う人のために『ウルトラマンブレーザー』という作品について解説していこう。

ウルトラマンブレーザー』は、『ウルトラマンギンガ』を始まりとするテレビ東京系での新作テレビシリーズの総称である『ニュージェネシリーズ』の題11作品目となる。
しかし『ニュージェネシリーズ』の特徴であった「過去のウルトラシリーズとの繋がり」「人間の言葉を使い、キャラクター感を親しみやすくする」「過去のシリーズの怪獣が沢山再登場、もしくはリメイクする」といった要素を排除、もしくは極限まで減らしている異質な作品となっている。
また、『ウルトラシリーズ』ではお馴染みであった「光線による必殺技」も廃止されており、初期の必殺技はスパイラルバレードと言う槍状の武器を用いた物であった。


『ニュージェネシリーズ』ではお馴染みとなっていた「インナースペース表現」も極力使われなくなっており、使われる際は一人称視点かつアイテムであるブレーザーストーンの差し替えのみとなっており、主人公・ゲントが言葉を発する事が無いのも特徴だろう。


その他にも『ウルトラマンティガ』以降のウルトラシリーズではお馴染み要素であった並列タイプへのタイプチェンジも廃止されており、基本フォームと最強フォーム(といっても右半身が変わった程度)しかないのも本作の特徴だろう。

↑上記の画像の様な複数フォームを持っていない作品となっている



そのため、シリーズを知っている人にとっては今までとは違った楽しみ方が出来、シリーズを知らない人でもイチから同じように楽しめる作品となっているだろう。

ウルトラマンブレーザー』の魅力


というわけで『ウルトラマンブレーザー』という作品の魅力を紹介していこうと思う。
上記の内容と重複するところもあるだろうが許してほしい。

ミリタリー描写

TVでの『ウルトラシリーズ』復活となった「ニュージェネシリーズ」では主人公が防衛チーム所属ではない作品が多く存在していた(『ウルトラマンギンガS』や『ウルトラマンⅩ』は珍しい部類だった)。
しかし『ウルトラマンタイガ』から防衛チーム所属というのがスタンダードとなっていた。
そのため『ウルトラマンZ』や『ウルトラマントリガー』及び『ウルトラマンデッカー』ではそれぞれの作品ごとで様々な防衛チームの描かれ方がされてきていた。
その流れの中でも今作『ウルトラマンブレーザー』では「シリーズ初の隊長が主人公でウルトラマン」という挑戦をしている。そのため、近年では特に防衛チームの描写に力を入れていた作品だったと言えるだろう。
ゴジラVSシリーズ』の様なフィクションという嘘の世界でのリアルという部分をとても緻密に描いており、軍という全体組織における主人公チームの立ち位置や、それによる組織としてのしがらみという部分を常に描いていた作品だっただろう。
また、主人公チーム以外にも個別チームがあることを匂わせており、『ウルトラマンガイア』に近いものを感じられる物となっている。

また、今作のロボット兵器であるアースガロンは基地内外での描写が非常によく、「怪獣型巨大ロボが現実で動かすならどうなるか?」という部分を描いているのがポイントである。
そのため、明確な長所と短所があったり、相手の怪獣の特性によって運用のさせ方を工夫しているというのもこの作品の特徴だろう。
こう言った理由から本作では作戦シーンが多く、「相手の怪獣にはどういう特性があるのか?」、「じゃあどういう風に対処すればいいのか」という部分をかなり描いていた作品となっている。

平成ウルトラシリーズのように、様々な戦闘機や戦闘車両が出るわけではないのだが、今の作品造りで追及出来るリアリティという部分が見応えとなっている。

ストーリー

本作のストーリーは過去のシリーズと比べるとかなり異質なのだが、その中でもまず違う要素と言えば「主人公のライバル、もしくは作中通して敵対する悪役キャラ」が存在していない事だろう。
ウルトラシリーズ』では『ウルトラマンA(エース)』のヤプールを皮切りに、『ウルトラマンレオ』のブラック指令及び円盤生物(4クール目のみ)、『ウルトラマンダイナ』のスフィア、『ウルトラマンコスモス』のカオスヘッダーなど、作中全体を通して敵対していき、その物語の結末のボスとなる存在があった。
また、『ウルトラマンオーブ』のジャグラス・ジャグラーが登場し、主人公とは対となる、もしくは何度も物語の障害となる魅力的な敵キャラが存在するのがある種定番となっていた。
そう言ったキャラクターをあえて出さずに、主人公チーム「SKaRD(スカード)」のメンバーのみにキャラクター描写を絞り、今一度「怪獣に対抗する人類」という描写に専念した珍しい作品になっていると言える。

↑ニュージェネの悪役の例


作中を通して戦っていく存在は魅力的ではあるのだが、どうしても話の都合上、中途半端に倒せずに戦いが終わったり、同じキャラとの戦いを何度も見ることになったりと、人によってはフラストレーションが溜まってしまう要素ではあった。
そのため、そういう要素が無い分、「怪獣をメインとした話」として見やすい作品となっているだろう。


そして本作のストーリーの特徴は「大人も引き込まれるドラマ展開」という部分にあるだろう。
子供向け作品なため「今回の怪獣とそれを退治する人間とウルトラマン」という話の構図は崩さずに、特に2クール目からは「軍が秘密にしている謎の情報」というドラマが作品を盛り上げる要素となっていた。
そういった緻密なドラマシーンは対象となる子供にはまだ難しい物ではあっただろうが、「シリーズが好きな大人」、「子供と一緒に見る親」を引き込む要素になっていたのは確かだろう。
2クール目から作品を引っ張ってきた謎が、終盤には1クール目の話も巻き込んで一つの線として繋がっていき、昇華していく緻密な構成はこの作品の魅力をグッと引き上げてくれている要素である。

また、この作品は「コミュニケーション」が題材であるため、そこに注目しながら見ていくとさらに面白い作品になっているだろう。

キャラクター描写

ウルトラシリーズ』と言えばそれぞれの作風なりのキャラクターの描き方をし、キャラクターが作風を作っていくというのが面白い要素の一つだろう。
今作では特に「SKaRDメンバーのプロフェッショナル性」を強く描いている作品だろう。
例えば主人公のヒルマ・ゲントは「初めての隊長主人公であり、『ULTRAMAN』(2004年)ぶりの妻子持ち」という特異な設定を持っている。そのため作中では「隊長としての指揮能力とカリスマ性」という部分をメインに描き、怪獣対処のプロフェッショナルという印象を視聴者にちゃんと分かりやすく描いている。そんな仕事人なキャラクターがたまに見せる「父親としての顔」という部分がキャラクターの魅力を引き立てている要素となっている。
このようなキャラクターのオンとオフ、仕事と日常、弱点、人間関係といった部分をギャグにはせず、しかしちゃんと面白く描写することにより、キャラクターや作品という世界に深みを持たせている。
また、仕事中ではあるけども緊張が解けているシーンでは、和気あいあいとした会話を見せるため、そこも面白いポイントだろう。


そして、ウルトラマンブレーザーというキャラクターはシリーズの中でもかなり異質な物となっている。
ウルトラシリーズ』は主人公の人格としてのキャラクターがメインとなる、主人公がウルトラマンと同一の存在、ウルトラマン自身が喋ってコミュニケーションを取り合えるの3パターンのどれかというのが基本であった。
特に、常に喋るウルトラマンとして衝撃を与えたウルトラマンゼロの登場以降、「ニュージェネシリーズ」では、主人公が日常的にウルトラマンと何かしらの手段で会話をし、時には悩みを共有したりするという作品がチラホラあり、そうでない作品でも、主人公の声でウルトラマンが戦闘中に喋り、必殺技を叫んだり、インナースペース描写を挟むことで分かりやすいウルトラマンのキャラクター付けがされてきた。

しかし、ウルトラマンブレーザーは「言葉は分からないが意思疎通は確かに出来ている」という部分を徹底しており、人間の言葉を発しないキャラクターという物になっている。そのため、時にはそれが主人公であるゲントを悩ませる物にもなっていた。
また、掛け声も「シュワッチ」に筆頭されるカッコイイものとはかけ離れており、雄叫びの様な声を発するキャラクターとなっている。
そして、アクションも野性味溢れる物にしているため、今までのシリーズを見てきたファンにも衝撃を与える物となっていた。
そういう描き方をされているが、作中ではカッコよく、時にはコミカルに描かれているため、そこで今までとは違う魅力という部分を存分に発揮していただろう。

↑作中では幾度も儀式的なポーズをとるが、謎が多い

怪獣

そして『ウルトラシリーズ』と言えばやはり怪獣だろう。

まず本作品において最初のインパクトは「新規怪獣の多さ」であった。
古いものでは『ウルトラマンマックス』や『ウルトラマンメビウス』の時からのスーツを使いつつも、「ニュージェネシリーズ」でも新規怪獣、もしくは新規で過去の怪獣のスーツが作られたりはしていた。
しかしもう10年もの期間使っているスーツもあるため、スーツの劣化で使える怪獣が限られ始めてきたという問題がある。例に『ウルトラマンオーブ』でのラスボスであったマガタノオロチは4年後の『ウルトラマンZ』ではスーツの劣化によりゲネガーグへと改造され、1話の看板を飾り引退となった。

また『ウルトラマンX』で登場したガーゴルゴンも3年後の『ウルトラマンR/B』にて再登場、そしてさらにその3年後の『ウルトラマントリガー』ではスーツの劣化からこれ以上使うことが出来なくなったため選出され、最後の活躍をし引退する形となった。

こう言ったスーツ事情に加え、使えるスーツは『ウルトラマンデッカー』の方に回され、改造されて使われていた。

↑『ウルトラマンメビウス』から幾度も再登場してきたレッドキング(初代)を改造したスフィアレッドキング、『ウルトラマンR/B』から再登場のたびに改造されてきたグルジオを改造したネオメガス、『ウルトラマンタイガ』のセグメゲルを改造したスフィアジオモスなど様々


そういった事情から、恐らく「今後もシリーズを続けていく」と言った部分を踏まえてか、今作では大量に新規怪獣が登場していた。
そのため、「ニュージェネシリーズ」で言われていた「またコイツか」というだんだんとありがたみが薄れていく再登場の不満という部分を解消している。


そして、本作では怪獣の描き方に特に力を入れており、様々な活躍や能力を見せ、「怪獣を軸とした物語展開」という作風を強く見せている。

まずは本作において一番重要となっている宇宙怪獣。

今作では宇宙怪獣は「〇〇・ウェイブ」と呼称され、人類の武装では攻略が困難な特徴を持っている。
例えば上の画像のバザンガは「どんな攻撃にもビクともしない装甲」、ゲバルガは「全ての電子機器を停止させる電磁波」と言った物だろう。
作中では「宇宙から飛来してくる謎の存在」として描かれており、作品の重要な部分に関わる存在として描かれている。

次に地球の怪獣なのだがコチラは二種類に分類されている。

上の画像のゲードス、タガヌラー、デルタンダルのような怪獣はあの世界における生態系の一つのような扱いの怪獣となっている。
そのため、リアルな生物のような、自分の意志で行動をしているような描かれ方をされている。
そのため、怪獣としての恐ろしさ以上に生物としての愛嬌が垣間見えるという特徴がある。


そしてもう一つがドルゴ、ニジカガチの「伝承に残る封印された生物」である。
特定の方法でのみ封印を解くことが出来る存在となっており、ブレーザーですら正面から戦って勝つことは不可能だった強力な存在となっている。
ある種の災害の具現化のような描写で描かれており、その恐ろしさと存在感が存分に発揮されている。


他にも様々な宇宙人や怪獣が登場し、どれも印象的な存在として光るのが本作の怪獣の特徴と言える。

ウルトラマンブレーザー』という作品

ここまでで紹介してきたことを踏まえた上で「じゃあ『ウルトラマンブレーザー』とはどういう作品なのか?」という部分を改めて書いていこうと思う。

ウルトラマンブレーザー』という作品は『ニュージェネシリーズ』という10年続いた歴史に対して、ある種10年かけて培った「お約束」、もしくは『ウルトラシリーズ』全体の歴史の「イメージ」に対する「挑戦」を目指した作品だろうと言える。
だからこそ打ち出したのが「ニュージェネのお約束をやらない」、「出来る限りのリアリティを追求した大人向けSF描写」、「ブレーザーという存在をスマートな描き方をしない」という部分だろう。
こう言った挑戦が出来るようになったのは、『ウルトラシリーズ』という作品が近年商業的に潤っていってる点や、シリーズで初めて10年連続テレビ作品がやれたからこそ(それまでの最長は『帰ってきたウルトラマン』~『ウルトラマンレオ』の4年だった)という二点が大きいだろう。
「子供も大人も楽しめる」作風にするために「大人が楽しめる要素」という部分をエッセンスにしただろうし、同時に「10年連続放送出来た」という部分で「それまでを楽しんでくれた子供、あの頃見てくれていた子供」にも向けた作品となっているのだろう。

また、本作では「コミュニケーション」と言う部分をかなり大切にしており、「ゲントとブレーザーのコミュニケーション」、「家族とのコミュニケーション」、「軍と言う組織での情報のやり取り」など、かなりの場面で「相手を知る」という事の重要性を描写している。
時代ごとに変化をし、そしていつの時代でも人間が生きていく上で難しい課題となる「他者との意思疎通」を、今の時代なりの描き方をしているのが本作の本質だろう。

オススメのエピソード

では『ウルトラマンブレーザー』という作品の中でも個人的に特に刺さったエピソードをいくつか紹介しようと思う。

第9話『オトノホシ』


脚本:植竹須美男  監督:越知靖

TVシリーズにおいて『ウルトラQ』から57年ぶりのガラモンの再登場となった回。
ウルトラQ』の第13話『ガラダマ』の要素をベースにしながらも、「音楽」をテーマに描かれた回である。
アンリにコンサートの招待状を出した楽団のおじさんの本当の目的は何なのかという話となっている。
演出や話の完成度などを含めて傑作回と評される回であり、単発回ながらも今回登場する「チルソナイト」は今後重要アイテムとなる。

第10話『親と子』


脚本:植竹須美男  監督:越知靖

ウルトラマンX』で登場以降度々再登場してきたニュージェネの看板怪獣デマーガの再登場回。
ゲントの家族のシーンが初めて描かれた回であり、「家族」が主題となっている回である。
父としてのゲントと怪獣退治の専門家としてのゲント、人を守るために先に怪獣に攻撃を仕掛ける防衛隊、人間や生物を知ろうとするブレーザーなど、今作においてかなり重要な要素がふんだんに詰め込まれており、「人を守るためとは言え武器を向ける事が本当に正しいのか」という事を説いた作品となっている。


上記の回と同じく植竹氏による脚本なのだが、残念ながらこの二本が植竹氏の遺作となってしまった。

第12話『いくぞブレーザー!』


脚本:足木淳一郎 監督:武居正能

第11話に引き続きゲバルガとの戦いとなった回。
デマーガ戦とゲバルガ戦(11話)でゲントの意志に反した行動をした結果、遂にゲントから距離を置かれてしまうブレーザー
ブレーザーとの不和、人類の全力の反撃、そして初めてゲントとブレーザーが一つになれたとい前半の締めにふさわしいエピソード。上記の『親と子』と同じく、『ウルトラマンブレーザー』という作品が描きたい話をキチンと詰め込みながらも総戦力による決戦という所を詰め込んだ最高の回となっている。

第15話『朝と夜の間に』


脚本:中野貴雄 監督:田口清隆

本作のメイン監督である田口監督の推薦により、スーツとしては『ウルトラマン』から57年ぶりガヴァドンの再登場となった回。
原典では「ガヴァドンA」表記だが今作では「ガヴァドン」名義になり、「ガヴァドンB」は登場しない。
ウルトラマン』第15話『恐怖の宇宙線』をオマージュしつつも、ゲントの息子・ジュンの掘り下げをする回となっており、どこか大人びて生きているジュンが引っ越しをする友と共に子供らしく生きる姿を描いており、ゲントの父としての側面も非常に光る回となっている。
推薦した田口監督本人が撮っているだけあって、コミカルな田口監督フィルムは必見。

原典の『恐怖の宇宙線』では、みんなのヒーローであるウルトラマンがひたすら子供に「帰れ」と言われ続けるという実相寺監督のシュールギャグが光る作品となっているため、こちらも併せて見てみよう。

第22話『ソンポヒーロー』


脚本:足木淳一郎 監督:中川和博

ウルトラマンブレーザー』最後の単発回となるこの回は、怪獣被害を対象とした保険を取り扱う保険会社で働いている冴えない営業マンのテツオが、ある日営業先で出会った老婆と交流していく回。
ゲストキャラがメインとなり話が進むという話はシリーズでもたまにある回なのだが、本作は主人公たちとゲストが一切関わらないという異色回となっている。
ウルトラシリーズにおいて意外と描かれる事が無かった「怪獣の居る世界で懸命に生きる一般人」を描いており、「どんな状況でも生きていく」というメッセージが込められており、作品の世界観をより広げてくれた回だろう。
また、この回で登場するレッドキング(二代目)とギガスは非常にコミカルな描かれ方をされており、そこも必見。

これもオススメ ウルトラシリーズ

それでは『ウルトラマンブレーザー』を見た人向けに「じゃあその次は?」のオススメを紹介していこうと思う。
U-NEXTなどではかなり配信数が増えてきたが、「ツブラヤイマジネーション」に加入して見てみるのもアリだ
ろう。
月額500円なのでお得だよ!

テレビシリーズ・OV

ウルトラマンZ』

ウルトラマンブレーザー』と同じく田口監督がメイン監督となる作品。
ウルトラマンオーブ』から実に4年ぶりのレギュラーのウルトラマンが一人だけとなっている作品である。
ウルトラマンゼットや主人公・ハルキ達のキャラクターを非常にコミカルに描きながらも、「武力を強化していく事に対する否定」を描いており、親子三世代で楽しめる作品となっているだろう。
この作品から『ウルトラマンオーブ』、『ウルトラマンジード』などを見ていくのも良いだろう。

ウルトラマンデッカー』

ウルトラマンブレーザー』の前年の作品。
ニュージェネでは『ウルトラマンギンガS』以来久しぶりの前作と世界を共有している作品となっている。
しかし『ウルトラマントリガー』の存在の扱い方が上手いため、この作品一つでもキチンと分かりやすくなっているのがポイントだろう。
ウルトラマンダイナ』のリブート作品としながらも、原典のスフィア(宇宙進出を拒む存在)とは設定を変えて「星を隔離する存在」として描いており、当時のコロナ禍の閉塞感や不安を反映させたかの様な作品となっており、それでもそこで生きる事を諦めない姿勢を描いている名作だろう。

ウルトラマンマックス

「最強・最速のウルトラマン」というコンセプトで作られた作品。
基本的に完全な一話完結型となっており、どの話から見ても楽しめるのが特徴の作品となっている。
監督と脚本家ともにシリーズ全体を見てもこの作品にのみ参加している人も多く、シリーズの中でも一番各回の監督や脚本家の特色が色濃く出ている作品となっており、毎回違った作風を楽しめるというのが本作の一番のポイントである。
また、ニュージェネでお馴染みとなった再登場怪獣もここから始まった施策となっている。

ウルトラマンネクサス

宇宙から来た謎の存在「スペースビースト」との死闘を繰り広げる作品となっている本作。
土曜朝7時半放送という放送枠に対し非常にダークな作風で展開しており、特にノスフェルは視聴者に強烈なトラウマを植え付ける存在となった。
しかし、そんな作風だからこそ最終回はシリーズの中でも5本指に入るレベルの傑作となっている。
その陰湿な作風から「当時は子供から嫌われた作品だった」とよく言われる作品なのだが、当時4歳だったボクは、初めてテレビで見る新作ウルトラマンだったこともあり何だかんだで凄く楽しく見ていた作品である。
当時公開されたこの作品の前日譚である『ULTRAMAN』もオススメ。

ウルトラマンコスモス

シリーズの中ではかなり珍しい「人類と怪獣の共存が出来ている世界」を描いた作品。
宇宙から襲来した謎の敵・カオスヘッダーとの激しい死闘を繰り広げながらも、あの世界だからこそ描ける「相手を完全に倒す事が正義なのか」という点を描いている作品となっている。
当時は相当の人気があったようで、テレビシリーズが4クールから延長され5クールとなり全65話+総集編3話(内5話は諸事情により未放送)というシリーズ最長の作品となり、劇場版も3本(2のみ2種類)も制作された作品となっている。

ウルトラマンダイナ』

前作『ウルトラマンティガ』から7年後、人類が火星にも拠点を増やしたネオフロンティア時代を描いた作品。
人類の宇宙進出を阻む謎の存在スフィアとの攻防を描く作品となっている。
前作の『ウルトラマンティガ』に比べるとコミカルな作風となっており、よりバラエティ豊かになった怪獣・宇宙人は必見。また円谷プロを潰しかけたほどにお金を注ぎ込んだ特撮シーンの数々も本当に素晴らしいため見ていて迫力の凄い作品となっているだろう。
前作を知っていればより楽しめる要素はあるが、基本的にはこの作品単体でも面白く、以後のシリーズのスタンダードを作ったと言っても過言ではないためかなりオススメの一本。
諸事情によりツブラヤイマジネーション独占なため、ツブイマに加入するかBlu-rayを買って見ていただきたい。

ウルトラマンネオス

ウルトラマンガイア』終了後に展開されたビデオ作品。
全12話という非常に短い作品なため見やすいが、この作品でしか見られない怪獣や宇宙人が非常に個性豊かで面白いのが特徴だろう。
ウルトラマン』のような一話一話の単発の面白さ、怪獣SFという部分に力を入れているため、気軽に見られる作品となっている。
特に第4話『赤い巨人! セブン21』、第9話『僕らの恐竜コースター』はオススメ。

ウルトラマンパワード

アメリカで制作、放送されていた作品。
主人公はなんと『忍者戦隊カクレンジャー』よりも前のケイン・コスギ
ウルトラマン』のリメイク的な作品であり、『ウルトラマン』の怪獣達がよりリアルな生物的なデザインとなっているため怪獣デザインなども必見である。
全13話と見やすい話数でオススメなのだが、ハリウッドとの権利関係の問題か日本では配信されておらず、現状はBlu-rayを買って見るしか手段がない。

劇場作品

ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』

ウルトラシリーズ初のテレビシリーズ放送中の劇場版作品。
ウルトラマンティガ』とのコラボ映画的なお祭り要素はありながらも、主人公・アスカの成長物語として一本の映画が完結しており、今でもシリーズの映画作品での一番の傑作はコレだと思えるほどに最高の作品となっている。
こちらは『ウルトラマンダイナ』の中で唯一どのサブスクも配信しているため気軽にこれから見るのもアリだろう。

ウルトラマンサーガ』

ウルトラマンゼロを主人公とした劇場作品第3弾。
前作までのウルトラマンベリアルとの戦いとゼロの成長路線とは変わり、今作では前作でウルトラマンノアの力を受け継ぎ、様々な宇宙に飛べるようになったゼロが、バット星人によりほぼ全ての生命が消滅した世界で戦うストーリーとなっている。
そのため『ウルトラマンダイナ』の世界から迷い込んだスーパーGUTSの隊員、タイガの成長ストーリーと、今作の映画の舞台となる地球で最後に残された人類である「チームU」の地球奪還がメインとなっている。
ウルトラマンダイナ』の面々が久しぶりに揃った『ウルトラマンダイナ』の続編的な側面もあるため、当時凄くうれしかったのも今でも覚えている。
当時は東日本大震災があり、その影響でこの作品も企画が止まりかけたらしいが、だからこそよりメッセージ性の強い作品となっており、終盤のシーンは復興のメッセージを込めたものとなっている。

『シン・ウルトラマン

近年公開され大ヒットとなった映画。
ウルトラマンブレーザー』と似たような作品となっており、『ウルトラマンブレーザー』を見てから今作をもう一度見るとまた違った見え方が出来るだろう。
庵野秀明なりのウルトラマンの解釈と、それにともなうストーリー展開が見ていて感動させられる作品となっているだろう。
ボクは3回見て3回泣きました。

まとめ

いかがだっただろうか。
ウルトラマンブレーザー』は近年では特に大人向け色が強く、かつ話の素晴らしさに感動させられて今回のブログを書いたが、やはりウルトラシリーズの面白さは「子供も大人も楽しめる」という所だろう。
大人向け子供向け関係なく、面白いと思える作品はいっぱいあるので「これって子供向けでしょ?」みたいな偏見を持たずに作品を見ていくことの大切さは常々感じるものである。
しかし、「子供向け」だからこそ出来る作品で感動させられる、「子供向け」でも大人だからこそ読み取れるシーンもあるため、そういう面からでも「子供向け作品」は侮れないなと感じる。

なんか話が逸れたような気がするが、とにかく『ウルトラマンブレーザー』は面白かったので是非ともウルトラマンを普段見ない人にも見てほしい、その一点に尽きる。

というわけで今回のブログは終わりである。

それでは次のブログで。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。