皆さんは『SSSS.DYNAZENON』は見ただろうか?
『SSSS.GRIDMAN』の続編だし見たと言う人は多いだろう。
しかしこれもやはり色々とネタが分かった方が面白いのは事実。まあ作品単体でも十分面白いわけだが。
そんなわけで今回は前回の『SSSS.GRIDMAN』みたく主に小ネタ中心で解説していきたいと思う。
yukinokino.hateblo.jp
余談だが実はこの記事、1月頃から手をつけていたのだが飽き性かつ面倒くさがりな性格のせいで放置してしまい結局いつの間にか『グリッドマン・ユニバース』が公開されてしまった。
しかしありがたいことに映画公開後に『SSSS.GRIDMAN』の記事が伸びていることもあり、せっかくならと言う事で書いていこうと思う。
- ダイナゼノンって、なに?
- 小ネタ解説
- ガウマの最期
- 『SSSS.DYNAZENON』はコンピューターワールドなのか?現実世界なのか?
- メカデザイン
- 最後に
ダイナゼノンって、なに?
ではまず『SSSS.DYNAZENON』を知るための予備知識として知っておいたら楽しめるこの作品のベースは何かを解説していきたい。
とは言えそれぞれの解説で詳しく説明するので本当に軽く触れる程度で解説していく。
まずこの作品のベースになっているのは『電光超人グリッドマン』第18話「竜の伝説」が設定のベースになっている。
中国から見つかった5000年前のミイラが研究のために日本に運び込まれる。そこにはミイラの他にも竜の紋章が入った装飾品が数多く入っていた。
直人・一平・ゆか・直人の弟大地・一平の妹カナの5人は直人の父親のコネでそのミイラを見学しに行く事になるが、直人は塾をサボった罰で勉強漬けにさせられ、一平も前回ゴッドゼノンが倒されてしまったため新たなアシストウェポンの制作に取り組むため当日はゆか・大地・カナの3人で行くことになった。
向かった先でゆかが大地とカナに中国の竜に関するとある話を教える。
「竜を操ることが出来る青年が、お姫様のために戦い、そのお姫様と一緒になる約束をして国を守ったの。ところが、王族の人たちが竜を操る青年を恐れるようになってしまい、お姫様に内緒で毒殺してしまったと言うの。何も知らないお姫様は竜の副葬品を棺に入れると、後を追うように自殺してしまったのよ。」
そんな時、ミイラの話を知った武史はミイラを復活させ、ミイラを恨みの力で暴れさせようと目論み、研究室のインターネットに裂刀怪獣・メカバギラを送り込む。
コンピューターが破壊された事で蘇り暴走を始めたミイラはその場に居たマスコミや研究員、ゆか達を襲い始める。
その場に居合わせたマスコミの緊急中継のおかげでその状況を知った直人はすぐにジャンクに向かいグリッドマンと融合し、研究室のコンピューターに急行する。
地下室に逃げ込んだゆか達、しかしゆかをお姫様と思い込んでいるミイラはどんどん迫ってくる。そしてコンピューターの暴走が加速した結果、ミイラは遂にはゆかの首に手をかけてしまう。
「お姫様もあなたの後を追って死んだのよ。あなたに会いたくて死んだのよ。」
そう語りかけるとミイラはその事実に動揺してか手を放し、立ち尽くし、暴走をやめる。
それと同時にコンピューターワールドでは一平が新たに開発したアシストウェポン・ドラゴニックキャノンが送り込まれグリッドマンはメカバギラに逆転し、そのままグリッドビームでトドメを刺して事件は解決に向かう。
再び眠りについたミイラに対し、ゆかは竜の副葬品を供える。
「静かに、永遠の夢を見ながら眠っていたミイラは、渇いた現代に愛の強さを教えようとしていたのかもしれない。ゆかは蘇ったミイラに遥かな時を超えたロマンを感じていた。」
この話をベースに第22話「復活!!恐竜帝国」から登場するダイナドラゴンを主役ロボにしたのが今作である。
ちなみにウルトラマンダイナとウルトラマンゼノンは名前が似ているが全くの無関係である。
余談だが「竜の伝説」の次の話は警官役の柴田理恵が美容室でパーマをしていたら焼け死にそうになる話である。
小ネタ解説
第1回 『怪獣使いって、なに?』
真珠
前作でも怪獣のコアになっていた歪んだ真珠。今作では(最後まで見れば分かるが)何者かによってバラ撒かれている。
SSSS
「Scarred Souls Shine like Stars」が今作の「SSSS」。直訳すると「傷ついた魂は星の様に輝く」となる。そして今作の登場人物はそれぞれが傷を負っている。
ガンバルクイナくん(2023/4/14 追記)
前作にも登場していたマスコット。今作でも健在である。
合体竜人 ダイナゼノン/合体強竜 ダイナレックス
ダイナゼノンは「合体竜帝王 キンググリッドマン」、そしてダイナレックスは「合体超竜 ダイナドラゴン」が元ネタ。
ダイナドラゴンはドラゴニックキャノンの飛行形態のダイナファイターとキングジェットが合体したドラゴンフォートレスが変形した姿でニホンティラノザウルスがモチーフになっている。初登場は第22話「復活!恐竜帝国」。
その図体のデカさのせいでアクションがしづらいのか、作中では随所でピアノ線が見えており、変形バンクでもピアノ線が見えていたりする。
そしてキンググリッドマンは第26話「決戦!ヒーローの最期(後編)」で登場したグリッドマンとキングジェットが合体した姿。ちなみにこの形態だとドラゴニックキャノンが余ってしまうがキンググリッドマンは一度も使用した事が無い。
余談だが全く同じパーツ構成で人型とドラゴン型を使い分けるダイナゼノンは『魔法戦隊マジレンジャー』の主役ロボのマジキング/マジドラゴンに似ていると言える。
必焼大火炎レックスロアー
ダイナドラゴンの必殺技。元ネタは同じく火炎攻撃のダイナレックスのレックスロアー。
第2回 『戦う理由って、なに?』
アキレスと亀
古代ギリシャで唱えられたパラドクスを扱った哲学の一つ。
ギリシャ神話で登場する「アキレス」がアキレスより前(地点A)にいるのろまな亀と追いかけっこをする。普通に考えればどこかのタイミングで追いつくはずだがこの哲学においては「アキレスが地点Aに辿り着いた時点で亀も進んでいるため少し先におりアキレスは追いつけず、どんなに進んでもそれを繰り返すだけで追いつけない」と言う説になっている。
ぶっちゃけ色々な説明を読んでもよく分からない哲学ではあるが恐らくは「円周率などの無限に続く数字」と言う概念を考えていく過程で生まれた物なのだろう。しかしそんな話を高校の授業で取り扱わなくても・・・・・。
ちなみにこの哲学を提唱して哲学者の名前は「ゼノン」である。
ぐんぐんカット
円谷と言えばのこのカット。本作でも巨大化のシーンで多用される。
インスタンス・ドミネーション
前作で使ったのが「解放」を意味する「インスタンス・アブリアクション」だったのに対して今作では「支配」を意味する「インスタンス・ドミネーション」となっている。
前作ではアカネの心=怪獣を「解放」していたのに対して今作では野生の怪獣=感情の象徴を「支配」して操ると言う明確な違いを表してるワードであろう。
油断大敵怪獣 グレージョム
今回の怪獣。タガメのようなその見た目は似た怪獣を挙げるとするならば『電光超人グリッドマン』の第11話「おこづかいは十万円?」に登場しその後、第22話「復活!恐竜帝王」にて改造され再登場したメタラス及びネオメタラスであろう。
ちなみに第22話はダイナドラゴンが初登場した回である。
ジロー・ダイ
ちせがSNSを見ているシーンで一瞬だけ写るニュース記事に「ジロー・ダイ氏が第32回コンピューターアート&フォトコンテストの審査員に」と書いてある。
これの元ネタは『電光超人グリッドマン』第20話「地球から色が消える?!」である。『電光超人グリッドマン』では第5回だったのに対してこちらは第32回になっている辺り『電光超人グリッドマン』から『SSSS.DYNAZENON』までの27年間毎年のように開催されていたのだろう。
またジロー・ダイの名前の元ネタは『地球から色が消える?!』のゲストキャラであり作中ではコンピューターアートを作る芸術家である直人のおじさんの翔大次郎が経営する「ジロー・ダイ・アート・オフィス」。
ダイナソルジャー ウイングコンバイン
ダイナソルジャーとダイナウイングが合体した際の掛け声。
コンバインは耕運機・・・・・ではなく「結合する」などの意味を持つ「combine」。
ロボットアニメにおいてこの掛け声は『超電磁ロボ コン・バトラーV』の「レッツ、コンバイン!」を思い出す人も少なくはないだろう。
第3回 『裏切り者って、なに?』
飛んでいる矢は止まっている
こちらも前回の「アキレスと亀」と同様にゼノンの提唱した哲学の一つ。
「飛んでいる矢は動いているが瞬間瞬間を切り取ると常に静止してる」と言う哲学であり「点と線」の考えに近い哲学だろう。
「アキレスと亀」もそうだがこの学校は一体何の授業をしているのだろうか。
5000年前
ガウマも含め自分たちは5000年前に生きていたと明かすジュウガ。
「5000年前」と言うワードにピンと来る人はここでガウマの正体に気づいたであろう。
コンビニ7-21
前作でも出てきたコンビニ。
千荊万棘怪獣 バナードドン
ずんぐりとした体型が特徴の怪獣。似た怪獣を挙げるならば『電光超人グリッドマン』第31話「怪獣ママは女子大生」のいたずら怪獣テレボースや『ウルトラマンA』第41話「怪談!獅子太鼓」の獅子超獣シシゴランだろう。
腕の無いデザインと言うのはまさにアニメならではの表現と言える。
ちなみにデザイナーは平成ウルトラシリーズでウルトラマンのデザインを担当していたことでお馴染みの丸山浩氏。
会いたい人
明かされたガウマの目的。ジュウガの「5000年前」の発言と共に気付ける人はガウマの正体に気づける台詞になっている。
宇宙
バナードドンの能力を封じる為に宇宙まで運んで行ったダイナゼノン。ウルトラシリーズでは撮影の難しさ(ワイヤーアクションや背景合成などの手間がかかるため)あまり宇宙に運ぶといった展開は見せないためアニメならではのフィールドだろう。(一応『ウルトラマンダイナ』のダイオリウスなども存在はしているが)
しかし地上では倒せない、または倒したら危険なため空中に運ぶのはたまに見せるものであり、『ウルトラマン』第25話「怪彗星ツイフォン」で登場する二代目レッドキングは水爆を飲み込んでおり、いつ爆発してもおかしくない状態だったためウルトラマンによって首だけ切り取られ宇宙で爆破された。
また『ウルトラマンダイナ』第37話「ユメノカタマリ」ではポイ捨てされたゴミが集合した怪獣ユメノカタマリが内部の熱量の関係でそのまま爆発すると街が一つ吹き飛ぶという状態だったため最期はダイナによって空中に投げ飛ばされ空中で爆破された。しかしそれで解決したわけではなく舞台になったアララギ市では一週間ゴミの雨が降り続ける結果となってしまった。果たしてアララギ市の市民の健康は大丈夫だったのだろうか。ストロングタイプではなくミラクルタイプのレボリュームウェーブを使えばそんな事にならなかっただろうがそもそもはポイ捨てが原因なので自業自得であろう。
またこのシーンでは前作『SSSS.GRIDMAN』とは違い空がコンピューターワールドの天井ではなく宇宙があるため何気ないシーンではあるが前作との舞台の違いを明確化してるものであろう。
怪獣の力はありえないことを引き起こす
「怪獣の力はありえないことを引き起こすんですね、人が生き返るなんて・・・」
夢芽が放ったその台詞は亡き姉の事を思っての事だろう。
しかし『電光超人グリッドマン』ではミイラが蘇る事があった上にそんな事は優しい方でアナログ時計を含む全ての時計を狂わせ、さらには時計から出た催眠光線で人間の体内時計を狂わせたり、イラスト作成のコンピューターを破壊すると物理的に世界から色が消えてモノクロになっていったり、瞬間物質移動のコンピューターを書き換え過去から武蔵坊弁慶をタイムスリップさせたりと本当に怪獣の影響でありえない事ばかりが発生する。
第4回『このときめきって、なに?』
修行
色々な場所にドラム缶を置いてバランスを取っているダイナソルジャーは『戦機絶唱シンフォギアG』でもパロディされたジャッキー・チェン主演映画の『ドランクモンキー 酔拳』の有名な修行の1シーンから。
しかしこのサイズの巨体にどうやってドラム缶を乗せたのかは謎である。
うーさー
前作でも随所に登場していたうーさーは今作でも健在なのだが今作では常に幽霊の姿で登場している。
スターぼうず
前作では内海とアカネが一緒に入っていたスタバの様な喫茶店。
ちなみに元ネタは2000年から2001年にかけてBS-i(現:BSプレミアム)で「円谷英二生誕100周年記念作品」として全13話放送された『スターぼうず』である。円谷プロではなく円谷映像(『ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説』を作った場所)なためツブイマ配信もされていない上にDVD化すらされていないため非常にマイナーな作品である。ベッキーがメインキャラで出演しているためベッキーのファンならもしかしたら知っているかもしれないが・・・。
ちなみに小説版も存在しており著者は『コードギアス 反逆のルルーシュ』や『機動戦士ガンダム 水星の魔女』でお馴染みの大河内一桜である。
『23時の春雷少女』
非常に分かりづらいがカフェのシーンでバックに流れている曲は鬼頭明里の『23時の春雷少女』。1stアルバム『STYLE』に収録されたこの楽曲は鬼頭明里氏が前作にてはっすとして出演していた事と楽曲をポニーキャニオンが出しているから使えたのだろう。ちなみにこの楽曲はアルバムのCMでも使われていたため聞いたことがある人は多いかもしれない。
合い挽き肉
蓬が見ていた肉。合い挽き→逢引きとなり夢芽が誰かと会っていた事を気にしていると言う描写になっている。
ネジコン
ちせが持っているコントローラーはPlayStation専用のコントローラーとして出たコントローラー。
暦の年齢が33歳なのを考えると小学校に上がるか上がらないかの頃に買ってもらったものだろうか。
カラオケ
夢芽と鳴衣がいるカラオケルームは前作でも出てきたカラオケルーム。『インフェルノコップ』のMVも健在。
ちなみにこのシーンで流れている曲は『インフェルノコップ』の曲ではなく前作及び今作でもEDを担当している内田真礼の楽曲『ノーシナリオ』。
ナンバープレート
蓬の部屋に飾ってあるナンバープレート「GURAD GEO-999-X」は『ウルトラマンガイア』に登場する防衛チーム「XIO」が使用する車両であるベルマンのナンバープレート。
横に置いてる標識を見るに車好きなのだろうか。
有為転変怪獣 ディドラス
デカイ図体に四足歩行、そして背中に二つ大きな長物が付いているデザインは『電光超人グリッドマン』第12話「怪盗マティにご用心!」の磁力怪獣 マグネガウスだろうか。
また三次元の物質を捻じ曲げ、二次元にする能力は次元を操る能力を持つ四次元怪獣ブルドンに近いと言える。
なんとかビーム
ダイナウイングのキャノン砲から発射されるビームで正式名称は「ペネトレーターガン」。
この名前の元ネタはキンググリッドマンがキンググリッドランチャーを放つ際に使用する両腕の「ペネトレーター砲」。
誰でも乗れるダイナゼノン
「ダイナゼノン・・・お前誰でも乗れるんだな」と呟くガウマ。
特撮作品においては色々な人が変身出来る『ウルトラマンティガ』や『ウルトラマンネクサス』、ウルトラシリーズの枠を超えると『仮面ライダーファイズ』や『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』と様々である。
しかしそう言った力は誰もがちゃんと扱えるわけではなく、使い方次第では凶器にもなってしまう。『鉄人28号』の主題歌の歌詞が言い得て妙だろう。
第5回『恋人みたいって、なに?』
『ギミー!レボリューション』
ファミレスのシーンで流れている曲は『俺、ツインテールになります!』(通称:俺ツイ)で内田真礼氏が担当した主題歌『ギミー!レボリューション』のピアノアレンジ。
ちなみに俺ツイのアニメの脚本を担当しているのは『特捜戦隊デカレンジャー』や『アクションヒロイン チアフルーツ』などでお馴染みに荒川稔久氏。
生生流転怪獣 ネオフォビア
可愛らしい見た目に反して凶暴な内面を持つこの怪獣に似ている怪獣を挙げるとするなら『ウルトラマンレオ』の円盤生物 シルバーブルーメや『ウルトラマンダイナ』の吸血生命体 マリキュラだろうか。
前者は『SSSS.GRIDMAN』のブログで解説したので後者について軽く解説するとマリキュラは大量の青い吸血マリモが合体した姿でこちらもトラウマ怪獣の一体。とある湖に来ていた調査隊を全滅させていく描写があるのだが演出がとにかく怖く、ボッパー(ウルトラマンダイナでの防衛隊の車)に大量に張り付くシーンはCGの出来の良さも相まってかなり気持ちの悪いものとなっている。
ちなみにネオフォビアをデザインしたのは『ウルトラマンX』や『ウルトラマンオーブ』、『ウルトラマンZ』のメイン監督でお馴染みの田口清隆氏。
MusashiBou's
マクドナルドによく似た店のMusashiBou's。名前の元ネタは『電光超人グリッドマン』第34話「ボディーガード弁慶参上!」でボディーガードが欲しいと言う武史のためにカーンデジファーが桜ヶ丘大学のスーパーコンピューターに時空魔人 阿武丸を送り込み、瞬間物質移動のシステムを組み換えタイムスリップを可能にし、過去から現在へとタイムスリップさせた武蔵坊弁慶。
作中ではマクドナルドに行きハンバーガーを頬張るシーンがあったためそこからのネタだろう。
第6回 『この切なさって、なに?』
2万ルークス
姉の香乃の死の真相を知り向き合おうとする夢芽の事を眩しいと思った時の暦の発言。
2万ルクスは冬空の曇天くらいの光量らしいのであまり眩しくないような気もするが・・・。
傘
最初はハート型だった傘が稲本の旦那が来てからは崩れているシーン。暦の完全な失恋を表した表現である。
『君のヒロインでいるために』
暦がコンビニに寄ったシーンで流れている曲は前作のED『youthful beautiful』のカップリング曲『君のヒロインでいるために』。
ドンシャイン
ちせの読んでいる漫画雑誌の表紙に描かれているのは『ウルトラマンジード』の劇中番組の『爆裂☆戦記 ドンシャイン』。ドンシャインは主人公 朝倉リク/ウルトラマンジードの好きな作品であり同時にその人生に強く影響を与えている。
『ウルトラマンジード』企画時では朝倉リクはゲーマーな予定だったらしいが同時期にやっているライバル特撮作品がゲーマー主人公でゲームを題材とした作品なため避けた結果生まれた物だとのこと。
ちなみにこの回放送時には朝倉リクを演じた濱田達臣氏がドンシャインについて呟いていたりもする。
教室の窓
前作のOPの印象的なカットをオマージュしたカット。しかしただのオマージュではなく背景の雲や空の色の差から季節の違いを見せている。
また、光と影が半分ずつになっているのは心情表現だろうか。
そして同時にこのカットはオマージュであることで今回の話の展開を暗示している。
盗まれたダイナストライカー
アイテムが盗まれる展開はヒーロー番組ではたまにある展開。『ウルトラセブン』だと2回くらい盗まれていた(なんなら一回はウルトラアイを落としていた)り『ウルトラマンティガ』ではスパークレンスが盗まれた結果イーヴィルティガが生まれたり最近では『ウルトラマンZ』でゼットライザーがジャグラス・ジャグラーに盗まれ複製されたりとしていた。
落花流水怪獣 ブルバイン
馬の様な四足歩行の怪獣。似たデザインを挙げるとすれば上記画像の『ウルトラマンA』の変身超獣 ブロッケンや最強超獣 ブロッケンやここでは画像を載せてないが『ウルトラマン』のミイラ怪獣 ドドンコなどだろう。
四足歩行と言う特性上スーツアクターが二人必要でスーツが大きいためか最近ではそう言ったデザインの怪獣は出なくなりまた再登場にも恵まれていない印象がある。
ドドンゴでは後ろ半分に入る人は腰を曲げて入らないといけない都合負担が凄かったのか以後のデザインでは二人が立って入れる(胴の部分は何かしらで繋ぐ)デザインとなっている。
二人で操る怪獣
上記で書いた通り馬型のデザインの怪獣はスーツアクターが二人必要なためそれをメタ的に表した台詞。
前作の『SSSS.GRIDMAN』では新条アカネが怪獣をデザインし、アレクシスがそれを完成させると言う「デザイナー(造形士)とスーツ製作者」だったが今作の敵である怪獣優生思想は既にある怪獣を支配して動かす「スーツアクター」の存在になっている事がここで明確に分かるようになっている。
グリッドナイト
突然空から現れたグリッドナイト。彼が来たことによりこの世界が前作と何かしらの形で繋がっている事が分かるようになる。
第7回 『集まった意味って、なに?』
海ほたる
千葉県木更津市にある有名なスポット海ほたる。この場所は最近だと『シン・ゴジラ』でゴジラが出現した場所でお馴染みだろう。
ちなみにこの後、ガウマ隊がフードコートで食事をしているシーンで流れている曲は前回と同じく『君のヒロインでいるために』。
出番だデバン!
夢芽の回想に下半身だけ出てくる着ぐるみは『ウルトラマンティガ』第21話「出番だデバン!」に登場したマスコット小怪獣 デバン。本名は「デバンダデバン」らしく、旅芸人が「出番だ!」と言ったらそれに反応したためデバンと呼ばれるようになった。
ちなみに『ウルトラマンティガ』の時に使われたスーツはずっとウルトラマンランドで現役だったらしくそのおかげでずっと残っており、この回放送から約三ヶ月後、なんと『ウルトラマントリガー』の特別総集編にてデバンが再登場、しかもそのスーツは当時の物だった。
ちなみに『出番だデバン!』はその後ウルトラシリーズにて人気な話を何本も担当し、現在では『相棒』の脚本を書いている事でお馴染みの太田愛氏の初脚本回だったりする。
TAKE A CHANCE
幼少期の夢芽の服に書かれている文章。非常に分かりづらいがこれは恐らく「TAKE A CHANCE」。「一か八かやってみる」と言う慣用句だがこの単語と言えばやはり『ウルトラマンパワード』の日本語版OPの「TAKE A CHANCE 力のかぎり生きること」と言う歌詞だろう。
音の精霊
謎の女がバトンを回すシーンは『電光超人グリッドマン』第6話「恐怖のメロディ」にて作中唯一登場するコンポイドであるユニゾンが暴走したアノシラスを鎮めるためにやってた行動そのもの。
これにより謎の女の正体に気づく人もいるだろう。
第8回 『揺れ動く気持ちって、なに?』
紆余曲折怪獣 ザイオーン
尻尾にも頭部がある独特なデザインをした怪獣。似た物を挙げるなら『ウルトラマンタロウ』の百足怪獣 ムカデンダーや『ウルトラマンガイア』の超空間共生怪獣 クラブガン&アネモスだろうか。
ムカデンダーは見ての通りだが、クラブガン&アネモスは両方が顔であり両方に意思がると言うのが特徴だろう。
TARABAMAN
怪獣優生思想が観に行った映画。
『タラバマン』は『ウルトラマンダイナ』第30話「侵略の脚本」にて脚本家の三上が出入りしていた特撮番組制作スタジオにポスターが貼ってあった特撮番組。その後、世界観は違うが『ウルトラマンガイア』第47話「XIO壊滅!?」にて同番組が確認出来る。
そんなダラバマンが『ULTRAMAN』(漫画及びアニメ作品)のような形になっている映画だと思われる。
ダイアクロン
夢芽とちせがいるショッピングモールに貼ってあるポスターは恐らく『ダイアクロン』だと思われる。
『ダイアクロン』とは1980年代にタカラトミーから生まれた玩具コンテンツであり、ここから『トランスフォーマー』が生まれる事となる。リアルな車や戦闘機が変形する『トランスフォーマー』とは違い『ダイアクロン』はザ・SFロボと言った感じの様々なロボットが存在している。
2016年に復活し、2021年には『グリッドマンユニバース』として『SSSS.GRIDMAN』とコラボがあったためその繋がりだろう。
ダイナミックキャノン
ダイナソルジャーが単体で変形してキャノン状態になった姿。元ネタは『竜の伝説』にて登場したドラゴニックキャノン。
見て分かる通りドラゴニックキャノンはその大きさやそこから来る重量故かグリッドマンの首が物凄く傾いている。そのためかドラゴニックキャノンは作中一度しか使われていない。
また必殺技の「ダイナミックファイヤー」は「ドラゴニックファイヤー」のオマージュ。
第9回 『重なる気持ちって、なに?』
1.7メートル
前作でも登場していた道。
1.7メートルの高さ制限がついているためゴルドバーンの大きさが分かりやすいだろう。
俺にしか出来ないこと
「俺にしか出来ないこと」と言う台詞は前作でも裕太が言っていた台詞。自分にしか出来ない事に飛び込むと言う主人公のヒーロー性を象徴する物だろう。
迎えにきた
前作のOPの印象的なカットと同じカット。この様に今回は前作のセルフオマージュが多く見られる。
落下する夢芽
手から滑り落ちた知恵の輪を拾おうとして落下する夢芽。
このシーンや過去の動画で香乃が知恵の輪を大切にしていたシーン、そして次回の話を踏まえるとこのシーンで香乃の死因が暗示されている。
引き上げられるナイト
前作ではアカネを引き上げたナイト、今回は引き上げられる側となっている。
超合体竜王 カイゼルグリッドナイト
グリッドナイト、ダイナゼノン、ゴルドバーンの3体が合体した姿。
おもちゃの箱の説明を見て分かる通り本来のキンググリッドマンはドラゴニックキャノンを担いで完成形だったのだが「ダイナミックキャノン」の項目でも解説した通り取り回しが難しいためか劇中では一度も披露される事が無かった。なので本当の姿のキンググリッドマンに似た姿を最強合体に持ってきているのは拘りと言えるだろう。
また少し話は逸れるのだがグリッドナイトの元ネタに当たるグリッドマンシグマはダイナドラゴンと合体してキンググリッドマンシグマになるのが最強形態である。そのため映像作品では無理だったサンダーグリッドマンとキンググリッドマンの並びが実現出来ていた。そのためSMPで発売された際はダイナドラゴンにはグリッドマンシグマがセットでついていた。
グリッドナイトがコアロボになるのはシグマのネタも含んでの事だろう。
第10回 『思い出した記憶って、なに?』
バジャック
ガウマの回想に出てくる怪獣は前作の第9回に登場した怪獣・バジャックの没デザインとの事。
他にもゴングリーの没デザインも存在している。
余談だが今回は前作の第9回のような話となっている。
夢芽の家
夢芽の家は前作では六花の家だった場所。これもロケ地が同じと言うネタだろう。
走る蓬
蓬が走るシーンは同じく前作の第9回のようなシーンとなっている。
香乃の真相
そもそも死ぬ気はさらさら無かった香乃。
これまでの描写を踏まえると知恵の輪を落とした流れでの事故だった事が確定されたシーンだろう。
ゴングリー
ガウマが操っていると思われてる怪獣。この怪獣は前作に出てきた怪獣・ゴングリーの没デザイン。
四次元狂騒曲
怪獣の能力に過去に飛ばされて故人の真実や聞けなかった思いを聞くと言う展開は偶然ではあるがこの前年に放送された『ウルトラマンZ』の第14話「四次元狂騒曲」と似た展開になっている。
セレブロの召喚した四次元怪獣ブルトンの影響で過去に飛ばされた主人公ハルキ。そこは昔、父親とキャッチボールをした日だった。そこで父親の人助けの信念を聞くと言う話なのだがこの話は過去に張った伏線を回収しながらハルキの心を晴らす回になっており今回のDYNAZENONを見た人にはオススメの回となっている。
解ける知恵の輪
夢芽の知恵の輪が遂に解けるシーン。夢芽が心のモヤから解放された象徴だろう。
悲観離合怪獣 ガルニクス
今回の怪獣はその能力、話、シルエットから見て似た怪獣としては前作のバジャックだろう。
デザインコンセプトもバジャックを改造した姿との事。
切断されるガルニクス
グリッドナイトサーキュラーで倒されるガルニクス。奇しくも前作の再生バジャックと同じ倒され方となっている。
第11回 『果たせぬ願いって、なに?』
怪獣の種
怪獣の種とは恐らく歪んだ真珠の事だろう。シズムはこの事実を知っている辺り1話冒頭で真珠をばら撒いていた手はシズムだと思われる。
謎の声
ガウマが昔聞いた声。最初の方でも解説したようにこの声は『竜の伝説』にて暴走したミイラを止めるために井上ゆかが教えた真実である。
そして同時に、この台詞によってガウマの正体が確定し、物語としても明かされていく。
ミイラ
『竜の伝説』にて登場したミイラ。原作では暴走事件が終わった後に眠りについたのだがこの世界ではその後どこかに消えている。
うーさー
夢芽のバッグについているバックチャーム。このうーさーも幽霊になっている。
咬文嚼字怪獣 ガギュラ
本作のラスボスの怪獣。デザインとしてはゴジラ体型と言った感じでかなり王道な怪獣となっている。
似た怪獣を挙げるとすれば『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』の究極超獣 Uキラーザウルスや『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』の超銀河大帝 アークベリアル、『ウルトラマンギンガS』の超咆哮獣 ビクトルギエル、『ウルトラマンオーブ』のジビルジャッジメンター ギャラクトロンだろう。
どれもラスボス怪獣ばかりである。
ガギュラも過去のラスボス怪獣のような迫力があり後藤正行氏のデザインの良さが出ているだろう。
また本作も前作と同じく人が怪獣と化した物がラスト怪獣となっている。
第12回 『託されたものって、なに?』
鳴き声
ガギュラの泣き声はナナシBのように加工された不気味な物となっている。
TRIGGERの伝統芸
TRIGGER作品にはお馴染みのラスボスへのパンチ。今作でも健在である。
散らばる星
前作では物語の始まりだった一つの星が分裂していくシーンが今作では戦いの終わりの象徴として描写さえれており、前作との対比となっていると言えるだろう。
パサルート
ナイトと2代目が帰る際に現れたゲート。前作ではアレクシスが別の世界に移動しようとして使用していた。そしてこのゲートが出ると言う事はこの世界は・・・。
うーさー
前作でも文化祭のゲートになっていたうーさー。ここでも幽霊になっている。
『我が良き友等』
鳴衣の作品。よく見ると金石の姿が。
サイバーパンク
文化祭のポスターの中によく見ると『SYBER PUNK』のポスターが混じっている。
『SYBER PUNK』は今作の次にTRIGGERが公開する作品であり『宇宙パトロールルル子』でも行ったバトンタッチ要素だろう。
金石と鳴衣
夢芽を探しに行く蓬を見ながら金石に肘打ちをする鳴衣。この二人の関係性や金石がどういう人物なのか分かる細かい描写だろう。
自由と不自由
今作における怪獣は感情の具現化と暴走、そして怪獣優生思想はそれを支配し操ると言う形になっていた。そして怪獣は様々な事象を引き起こし、世界を狂わせていっていた。
この様に怪獣=感情を支配し様々な頂上現象を引き起こす事は何にも縛られず人知を超えた物であり何でも出来る「自由」の象徴でもあるだろう。
しかし、「傷」を持ち人との関係にどこか距離を置いており自分を縛っていた「不自由」なガウマ隊のメンバーは少しずつでも人と繋がれ、その関係性は確かな物となっていた。
「自由」を捨てずにかけがえのない「不自由」を手に入れていくと言うのは「不自由」だからこその「自由」がある「人間」として生きていく意思だろう。
ミイラのコスプレ
蓬がしているコスプレは『電光超人グリッドマン』のミイラ。
これはガウマの事への想いもあるのだろう。
と、蓬の方に目が行きがちな1シーンだがもう一つ注目すべきポイントがある。それは一番手前の客である。
よく見ると客の中にプールの監視員をやっていた男(直人)が混じっている。
傷
S字に入った傷。このシーンで第1話に表示された「Scarred Souls Shine like Stars」の意味が回収されたと言えるだろう。
またこの傷を隠さなくなったと言うのもこの二人がまた一つ人に対して心を開いた象徴とも言える。
竜のペンダント
アンチが持っていた竜のペンダントは原作ではミイラと共に埋葬されていた副葬品の一つ。
目覚めるダイナドラゴン
ダイナドラゴンが目覚めて終わり、そして表示される「NEXT GRIDMAN UNIVERSE」の文字。次回作を匂わせる終わりとなっている。
いかがだっただろうか。ここまでネタを書き続けたが次からは様々な考察をしていこうと思う。
ガウマの最期
戦いが終わった後に眠りについたガウマ。その生死は明確には描かれていないがラストでダイナドラゴンが起き上がったと言う事は生きているのだろう。
そしてここで思い出したいのが『ウルトラマンダイナ』の第51話(最終回)「最終章Ⅲ 明日へ・・・」である。
この話はブラックホール上になり惑星をドンドン飲み込みながら火星や地球に接近するグランスフィアを止める最終決戦を描いた話なのだが、この戦いの最後にウルトラマンダイナ/アスカ・シンは爆発し収縮していくグランスフィアの中に飲み込まれ行方不明になっている。それを目の前で見たSUPER GTUSのメンバーは悲しみながらも「いつかはアスカに追いつく」と言う決意をし明日に向かって進んでいくと言う希望を持たせた終わり方をしている。
そしてこのアスカ、生存が確定したのはなんと約10年後の『大怪獣バトルウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』である。一応『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』や『大決戦!超ウルトラ8兄弟』にも登場はしているが前者は本編途中の時間から呼び出された存在で後者はパラレルの存在となっている。
そのためこのラストは当時としては衝撃的であっただろう。
ちなみに『ウルトラマンダイナ』は「ダイナ」と言う名前やシリーズ構成を長谷川圭一氏が担当していたり、前作の地続きの続編、戦いの最後に変身者がいなくなるなど共通点の多い物となっている。
『SSSS.DYNAZENON』はコンピューターワールドなのか?現実世界なのか?
これは『グリッドマン・ユニバース』で半ば答えが出ているが判断が難しい問題である。
まず『電光超人グリッドマン』の続編である『グリッドマンΣ』は現実世界を舞台としている。
またこの世界は前作とは違い街は修復されず、怪獣の記憶も失われない世界となっており宇宙も存在している。
しかし修復されないと言うのはフィクサービームの使えるグリッドマンや前作のベノラのような修復者がいない事が原因とも言えるだろう。
そしてナイトと2代目が帰還する際にパサルートを経由していた事もこの世界がコンピューターワールドだと言える部分ではある。
また『電光超人グリッドマン』第2話「アクセプターの秘密」にてカーンデジファーがバモラを現実世界に送り出そうとして開いたゲートは上記の画像のようになっておりパサルートとは違う表現がされている。
そして何より前作ラストで現実に戻ったアカネが実写で描かれていた事を踏まえるとアニメである今作品もまたコンピューターワールドで起きた一つの物語と捉える事が自然だと言えるだろう。
メカデザイン
偶然なのかそれとも意図してなのかは不明だがダイナダイバー、ダイナウイング、ダイナストライカーはそれぞれ『ウルトラマンダイナ』のガッツイーグルα号(またはガッツマリン)、β号、γ号に近いデザインとなっている。
最後に
いかがだっただろうか?
正直な事を言うと今作品は前作よりネタは少ないと思っていたのだが案外多くここまで長くなった事に正直驚いている。
意外にも『SSSS.GRIDMAN』は見てこちらはちゃんと見ていないと言う人もチラホラ見られるためこの記事が少しでも助けになるのなら幸いである。
また本来なら『グリッドマン・ユニバース』より前に公開したかったのだがもう公開も一週終わった後くらいになってしまった事は反省している。がしかし、このブログを見てまた映画が見たいと思っていただけたならそれもそれで苦労して書いた甲斐があり、嬉しい限りであるので是非何度でも見ていただきたい。
頑張れる気力と時間的余裕があるのなら次回は『グリッドマン・ユニバース』の発見出来た小ネタを書いていきたいなとは思っているがどうなる事か・・・。「ニートだから時間はあるだろ」と言われたらそれはもう反論できないため頑張るしかないとも思う次第である。
と言うわけで今回のブログはここまでである。
今回も長くなったが最後まで読んでいただきありがとうございます。