今回の記事は前回の記事に関連したものでもある。余裕があれば目を通していただきたい。
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さて、今回は『乃』について解説、紹介していこうかと思う。
『乃』とは、誰が呼び始めたが分からないが、Twitterにおいて使われるワードである。人によって定義は曖昧ではあるが、ざっくりとした説明をすると、とあるキャラを起源とし、それに似た性格・外見のキャラを指す言葉である。
使用する時は基本的に『〇〇乃(〇には作品の略称)』と表記されるパターンが多い。
『乃』の条件って何?
先ほども書いた通り『乃』は人によって定義がバラバラかつ曖昧なものである。そのため、今回は自分の思う条件を書き記していこうと思う。
・ロングな髪形で、黒、または青い髪をしている(10点)
・クールキャラである(20点)
・陽気な主人公とコンビを組む(20点)
・妹キャラである(5点)
・プライドが高く、夢の為には自分にも他人にも厳しい(10点)
・家族が事故にあっている(5点)
・コンビを組む主人公が心臓移植をしている(30点)
以上の様な条件で定義付けされている事が多い『乃』であるがこれが仮面ライダー龍騎の仮面ライダーナイト/秋山蓮に似ている事から『2号ライダー枠』、『秋山蓮枠』と言った表現をされる事が多い。
秋山蓮って誰?
秋山蓮とは『仮面ライダー龍騎』に登場するもう一人の主人公かつ仮面ライダーナイトの変身者であり、所謂『2号ライダー』と言うキャラクター像を象徴するキャラクターになっている。
明るく陽気で前向きな主人公・城戸真司と対になる様なキャラクターで、クールキャラで自分の願いの為には他人を倒す覚悟もしている。しかし他人思いで優しい側面もあり、犬が苦手と言った一面も持つ。また、城戸の代わりに弁償したガラス代を度々ちらつかせたり(原因はどう考えても戦いをふっかけた蓮の方にあるのだが)、城戸が喫茶店で働いている際に客になりイチャモンをつけたりとする事もある。
その性格故か、作中、ヒロインの神崎優衣が彼の人物像を説明した時は「性格悪くて意地悪で、ケチで、好き嫌いが激しくて何考えてるか分からない」とボロカスに言われる始末である。
こういったキャラクター像が主人公と対比する上でやりやすいからか、龍騎以降のライダー作品においては2号ライダーはクールなキャラクターが多かったりもする。平成最初の2号ライダーは要潤なのに
『乃』って誰を指す?
では、ここまでの説明を踏まえた上で『乃』と言うキャラクターは誰を指すのかを紹介していきたい。
点数は上記の条件の点数の合計である。
長瀬琴乃
登場作品:IDOLY PRIDE (100点)
IDOLY PRIDEにおけるもう一人の主人公で所謂『乃』の語源になるキャラ。
3年前に交通事故で死んだ姉、伝説のアイドル・長瀬麻奈の成し遂げられなかったヴィーナスプロジェクト優勝を夢に持つ。性格はクールかつプライドが高い為、他人の強く当たってしまう事があるがそれは夢に全力で頑張っているからこそ生半可な事は許せないと言った気持ちの表れでもあるだろう。
誕生日は12月25日。
花野井玲那
登場作品:SELECTION PROJECT(100点)
SELECTION PROJECTにおけるもう一人の主人公。セレ乃。
3年前に交通事故で死んだ姉、伝説のアイドル・天沢灯に憧れ、同じ舞台を目指す為にセレクションプロジェクトに参加し、優勝を目指す。
性格はクールかつプライドが高い為、他人の強く当たってしまう事があるがそれは夢に全力で頑張っているからこそ生半可な事は許せないと言った気持ちの表れでもあるだろう。
誕生日は12月25日。
と、ここまで読んでもらえれば分かるのだが、この二名は何故か非常に似たキャラクターであり、もはや同一人物と言っても過言ではないレベルである。
この2作品が同じ時期に制作発表をし、同じ年に放送し、同じ曜日に一時間連続の流れを作るかの様に放送していたからこそ『心臓アニメ』という括りが出来、また下記のもう一人の存在があり『乃』と言う括りが出来たと言えよう。
清瀬優
登場作品:プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~(60点)
プラオレ!におけるもう一人の主人公。
北海道の強豪チーム・釧路スノーホワイトに所属していたがチームメンバーのプレイに対する意識の低さに嫌気がさしチームを脱退、そのままアイスホッケーを引退し祖母の住む日光に引っ越すのだがそこでドリームモンキーズの監督に異常な程な勧誘を受ける。仕方なく練習を見学した所、プレイに対する情熱の高さにアイスホッケーの楽しさを再確認し、チームに所属する。
性格はクールで上記のように甘えのある態度は許さなく、ただ勝つだけではなく全力でやった上で勝つ事を目指す。
かわいいものが好きなのか、作中ではチンアナゴのぬいぐるみを欲しそうに見ていたりもする。
この作品はセレプロと同じクールに放送された。そのため2021年秋クールは長瀬琴乃・花野井玲那・清瀬優と性格も外見も似た三人が揃った為、この括りを強くいるといった実態がある。
井ノ上たきな
登場作品:リコリス・リコイル(80点)
リコリス・リコイルのもう一人の主人公。 リコ乃。
とある一件からリコリスを指揮する組織・DAを離れ主人公・錦木千束の住む「喫茶リコリコ」に拠点を移し、そこで働く事になる。
性格はクールそのもので、結果論で物事を語り、任務に支障が出なければ命令無視もしたりする。しかし千束との交流で徐々に変化が現れる。
また天然な一面もあり新メニューとしてどう見てもうんこにしか見えないチョコパフェ(上記画像のもの)を提案し、本人はそれに一切気付かないといった事がある(一応人気メニューになったが後日たまたまSNSの評判を見てショックを受ける)。
ちなみにこのキャラクターは作風や喫茶店を拠点に活動する集団がメインな事や主人公・千束との関係性から『仮面ライダービルド』の万丈龍我だと推す声もあったりする。
南夢芽
登場作品:SSSS.DYNAZENON(30点)
SSSS.DYNAZENONの登場人物。
姉の死を境に他者との関わりを極端に無くし、また会う約束をしても平気で破る癖が付くようになった。しかしガウマや蓬との出会いをきっかけに徐々に変化していき、次第に姉の死と向き合い、その真相を追うようになる。
正確には『乃』とは違うキャラだが『IDOLY PRIDE』の次のクールに放送され、姉の死という背景を持つキャラクターなため『乃』に近いキャラとも言えよう。
また声優は上記の井ノ上たきなと同じ若山詩音氏である。
橘雪乃
登場作品:Extreme Heats(35点)
Extreme Heatsの登場人物。エク乃。
2号ライダー枠ではないが名前に『乃』が入っており、そのビジュアルや性格面から見て『乃』と言っても過言ではないだろう。
3年前に交通事故で父と兄を亡くし、以後、実家の剣術道場を継ぐ為に精進している。そのため中学生時代にやっていたソフトボールも辞め、他者との学生らしい交流もしなくなっている。
しかしバッティングセンターには通っており、その影響で野球少年たちの噂になっていたため主人公・葉山日陽にスカウトされ、紆余曲折ありRISEのチームメンバーになる。
黒金蓮
登場作品:シャインポスト(暫定30点)
シャインポストの登場人物。シャイ乃。
HY:RAINのリーダーであり、主人公・青天目春の過去に関わる人物。
元々は春と友人であり、一緒にアイドルを目指し日々練習していた仲だったが、とある出来事から関係が決裂する。
『乃』であると同時に名前に『蓮』と入っているため、2号ライダー枠の血が濃いと言えよう。
2022年9月末現在、アニメが9話までしか放送していないため、アニメしか見ていない人間にはこれ以上の情報は無い。
長瀬琴乃以前の『乃』
ではここで、『乃』と言う括りが出来る前の作品で『乃』に該当するキャラクターを三人ほど紹介していこう。
如月千早
登場作品:THE IDOLM@STER(65点)
THE IDOLM@STERの登場人物。
765プロ所属のアイドル。どこか影のあるストイックさを持つ。
しかしそんな性格の反面、自分の胸の大きさを気にしており、水着回では他の巨乳アイドルを見て悔しがる姿を見せている。そのためプロフィールから取られた数字として「72」と作品ファンから弄られていたりもする。前世ではかなりの巨乳であったのに。
ちなみにこの作品は『IDOLY PRIDE』の脚本を担当した髙橋龍也氏もいくつか脚本を担当している。そのためこのキャラクターは『乃』の元祖と言っても間違いのないキャラクターであり、プロト長瀬琴乃である事は確かであろう。
十条姫和
登場作品:刀使ノ巫女(65点)
刀使ノ巫女のもう一人の主人公。剣術の大会である御前試合で警察のトップである折神紫の暗殺未遂を起こし、そのまま逃亡の手助けをした衛藤可奈美と共に逃亡犯になる。
好きな物はチョコミントアイスと煮物。だがチョコミントの方は誰にも良さが理解されない。
また胸が小さい事を気にしており、益子薫からは「エターナル」、「エターナル胸ぺったん」と煽られる事がある。そのため胸の大きい・大きくなる女に懐く『ねね』が興味を示さない。また益子薫から「沙耶香は(胸が)成長する未来がある」と知らされた時は「しょうちした きさまはきる」と言うメッセージを秒で返信している。
この作品もシリーズ構成・脚本が髙橋龍也氏である。そのため髙橋脚本は明るい主人公とクールな主人公のW主人公で描く傾向があると言える。(ちなみに姫和の胸いじりは髙橋氏は一切行っていない)
またこのキャラクターは逃亡犯の側面もあるため同時期に放送されていた『仮面ライダービルド』の万丈龍我と似た側面を持つと言えよう。
東雲龍
登場作品:八月のシンデレラナイン(40点)
八月のシンデレラナインの登場人物。
中学時代に主人公・有原翼のチームとの勝負で逆転負けをし以後、有原翼をライバル視している。またプロを目指しているため高校に入っても部活はせずにプロに近づくためのチームに入ろうとする。その性格や夢のためか、実力がありながらもプロを目指そうとせず素人と女子野球クラブを作った有原の姿勢を「遊びの野球」と称し許せない気持ちでいた。
またこのようなキャラクターであるがゲーム序盤では割と畜生寄りな側面を見せる。
また、ゲームではとあるギャグイベントで相手がプールで遊んでいる所を見て真っ赤に焼けた石を投げ込む提案をしたりする。
そのためアニメ版では非常にマイルドかつちゃんとしたキャラクターになったと言えるだろう。
新月・エルネスタ・深海
登場作品:グランベルム(50点)
グランベルムのもう一人の主人公。魔術師でありながらこの世から魔法を消そうとしており、その願いを叶える為にグランベルムに参加している。
詳しくは過去の記事を読んでいただきたい。
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このキャラクターはその作風や性格、ポジションからまさに秋山蓮といったキャラであるだろう(蓮ほど性格が悪いわけではないが)。
まとめ
以上である。これだけでも中々の量ではあるがもっと居たかもしれないと思う気持ちがある。
今回まとめてみて改めて気付いた事は髙橋脚本のオリジナルアニメは陽気な主人公とクールな主人公を組ませる事が多いという事実である。やはりこれは記号的な表し方があり、かつ相乗効果が生まれるため非常にやりやすい手法なのかもしれない。是非とも髙橋龍也氏には仮面ライダーの脚本をやってほしいものである。
また髙橋氏は『乃』と言うワードを知っている様でTwitterにおいてIDOLY PRIDEのゲームのスクショと共に「デレ乃」と呟いている。そのためIDOLY PRIDE公式には認知されている可能性が高いだろう。(ちなみに髙橋氏は刀使ノ巫女のファンアートを何故か探し当ていいねをしたりする為、エゴサ力が非常に高い)
しかしこのような『乃』と言うワードが生まれたのはやはり『IDOLY PRIDE』の再放送と『SELECTION PROJECT』、そして『プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~』の3作品が同クールに放送されていた2021年秋クールと言う特異点の存在であろう。これが無ければ今でも『2号ライダー』が主流だったかもしれない。
今回はこれで終了である。
ここまで長々とした記事を読んでいただきありがとうございます。