ユキノの雑語りブログ

ただのオタク

境界戦機

皆さんは境界戦機を御存知だろうか?
まあこんなブログを読む人間は真の日本人の魂を取り戻した境界戦士くらいだろう。

では何故こんなブログを書くかと言うと、境界戦機と言えばネット(主にTwitter)で調べると以下のような意見が出るからである。
・アニメが面白くない
・家電量販店の売れ残り
・売れないプラモを出すな
ガンプラに生産ライン寄越せ
・ゴミ

このようなネガティブな話題が散見されるこの作品だが個人的には流石に言いすぎだと思う。
と言うわけで今回はこんな酷い言われ方のされているこの作品の忖度無しの個人的な意見を書き連ねつつ少しでもイメージアップになればと願う。


境界戦機とは

この記事を読む人間は大体境界戦機は知っていると思うが、もしかしたら知らない人もいるかもしれないのでまずは境界戦機とはどういうコンテンツなのかを軽くさらっていこう。

境界戦機とは2021年3月21日に発表されたSUNRISE BEYONDとバンダイが組んで始まった新しいロボットコンテンツである。アニメを筆頭としつつ、プラモデル、外伝小説を展開していくという力の入れ具合であり、まさにガンダムで活かしてきたノウハウを最初から活用しつつ、ガンダムとは違った形の物を展開していくという心意気が見られるコンテンツである。
そしてアニメ第1クールが2021年秋、第2クールが2022年春に放送された。
スタッフは、プロデューサーに『ガンダムビルドシリーズ』や『鉄血のオルフェンズ』を担当した小川正和、監督には『蒼穹のファフナー』の羽原信義、シリーズ構成には『ビルドダイバーズ』の木村暢、キャラクターデザインには『装甲戦記ドラグナー』やガンダム作品でも多くの作品を担当している大貫健一とかなり豪華かつロボットアニメ経験者で固められている。そして原作及び制作はSUNRISE BEYONDである。名前から分かるようにサンライズに関係している会社ではあるが実はXEBECの方が近い。

そんな感じで始まったコンテンツがこの作品である。

あらすじ

舞台は今より少し先の未来の日本。経済政策などに失敗し国の基盤が怪しくなった日本はアジア・ユーラシア・オセアニアアメリカの四つの勢力に支配され、国が分断され、日本人と言うだけで差別され、酷い仕打ちをされる国になっていた。
ユーラシア勢力圏に住む少年・アモウは山奥で見つけた未完成のAMAIN(アメイン)「メイレスケンブ」を発見し、それを趣味のジャンク漁りで修理する生活を送っていた。そんなある日、山奥でユーラシア軍に追われる一人のAI・ガイに出会う。
そこから数日経ったある日、ケンブはほとんと完成に近い状態になった。しかしその頃、山での不自然な挙動からアモウがガイを匿っていると踏んだユーラシア軍によりアモウの部屋への襲撃が行われ、さらには「ジャンク漁り」を罪状としアモウの友人を人質に取る。
ユーラシア軍に囲まれ絶対絶命になった時、アモウはケンブに乗り、ユーラシア軍との戦闘に勝利を収める。
しかしそのせいでアモウは指名手配犯になり、逃亡生活が始まる。
そして逃亡生活の最中、「日本を取り戻す」という理想を掲げるレジスタンスの「八咫烏」と出会い、協力するようになるのであった。

登場人物

主要キャラ全てを紹介すると膨大な量になってしまう為ここでは一部を紹介していこうと思う。

椎葉アモウ

オセアニア勢力圏に住む16歳の少年。両親とは死別しており、通信制高校を利用している。
日本の現状を悲観している一面がある。
友人達とAMAINの残骸を漁りながら山奥に放置されていた「メイレスケンブ」を修理するのを趣味として生活していた。
しかしオセアニア軍との戦闘のせいで指名手配犯となり逃亡生活を始める事になる。


ガイ

アモウと共に行動するパートナーAIでありケンブを動かすための要。
制作者が育成時の時に見せたロボットアニメの影響で少年漫画の様な物を好む性格。



鉄塚ガシン

レジスタンス組織「八咫烏」に所属する少年で年齢はアモウと同じく16歳。鉄塚の読み方は「てづか」。
「メイレスジョウガン」のパイロット
クールな性格であり他人との関係性には少し距離を置いている。
母を亡くした後、父も謎のAMAIN・ゴーストの襲撃で亡くしており両親とは死別している。その為、八咫烏の活動をしつつ、ゴーストへの復讐も目的としていた。
また野菜が苦手な為、食事をする際はまず野菜を避けてから食べ始める。


ケイ

ガシンのパートナーAI。性別はメス。
ガイとは開発系列が同じであるため兄弟のような存在である。



紫々部シオン

アモウ、ガシンと同じく16歳の少女。紫々部の読み方は「ししべ」。
「メイレスレイキ」のパイロット。
落ち着いているが明るい性格。
祖父が陶芸家なため実家に焼き窯があったがアジア軍により破壊されている。祖父の影響か幼少期から焼き物を作っているため陶芸が好きであり、いつかは「姫野焼」と言う焼き物を復活させる事を夢見ている。また放置された窯を見つけた際は放っておけずに修理し、そこに住んでいた子供達に焼き物を教えていた。
特技は薙刀であり、その特技はレイキの戦い方にも生かされている。


ナユタ

シオンのパートナーAI。イタリア人のような情熱的な性格なのかシオンの事を「姫」と呼ぶ。
ケイと同じくガイとは兄弟関係にある。
ガイ、ケイと来たのに何故かゴウではない。


この作品に対する個人的な見解

ではここから本題に入ろう。
まずボク自身がこの作品を好きか嫌いかを聞かれると「好き」と答えると思う。
ただこの「好き」は決してこの作品が「面白い」と言う意味ではない。
この作品の面白さは100点満点で採点すると55点くらいだろう。あらすじを読んでもらえれば分かる通りこのアニメを見るくらいなら『コードギアス 反逆のルルーシュ』の方がテンポもよく一義も二義も面白いので国民的アニメ面してるギアスを見た方が圧倒的に得である。流石は谷口悟朗。ボクはいつまでも『アクティヴレイド-機動強襲室第八係-』の3期を待ち続けているぞ。



話が脱線したがこの作品は何故ギアスのような面白さが無かったのだろうか。その部分を個人的意見で箇条書きしていこう。
・とにかく思想が強い
・ぶっちゃけ主人公組が介入してない回のロボ戦はマジで何をしているのか分かりづらくつまらない
・描写がガバガバ
・何ならロボ戦すらガバガバな回がある
・ロボットアニメの割には明らかにロボットを絡ませて話を膨らませるべき部分でロボットが絡まない
・シオンはメインヒロインなのに掘り下げが無いどころかほぼ置物に近い(漫画版では回想が大幅に追加されている)
・プロデューサーと監督のやりたい事が違い過ぎるせいか中途半端な感じのシナリオ
自治区名物自治まんじゅう
・一部の出来事の原因である人物がなあなあな形で許される
・結果的に話の黒幕になる人物達が主人公達と絡まず、特に関係ないところで成敗され解決する
・耳長怪人外国人
などなど書き始めるとキリがない。


これを読んで「じゃあクソアニメかよこのアニメは」と思う人間は少し待ってほしい。確かにロボットアニメとしても、普通のアニメとしても微妙ではあるが先ほども書いた通りボク自身はこのアニメが「好き」である。
これはどのアニメにも言える話だが、ネットの話題だけで面白い・面白くないを判断せず、見てもないのに見下しバカにする様な事をせず、まずはちゃんと見て自分の感想を持ち、自分の意見で判断してほしい。
またこのように欠点ばかり書いているがやはり良い点もある。
DASH村自治区、サプライズパーティなど面白い単発回はある(ネットでは評価が低かったりするが・・・)
・メカデザインがよく、また昨今では珍しい作画でのロボの戦闘シーンはいいシーンが多い
・舞台設定のおかげでよりリアルな世界観に近い土壌てロボット同士の戦闘が見られる
・実際の土地が出る為どこで何をしているのかが分かりやすい(ちなみにボクの地元の名所も出てきたが爆破されたり戦場になってりで壊滅的でした、天然記念物だぞ)

と評価出来る点があるのは確かである。
ただ、実際の土地が出てくるのは1クール目のみで、2クール目は何故かそれが無くなった為もったいないと感じている。

ではプラモはどうなのか

ボク自身、実はこの作品のプラモを作ってない(作るスペースや置くスペースがない)ためこの項目はかなり説得力が低い物になってしまうと思う。そこだけは念頭に置いて読んでいただきたい。
買いたいキットや組みたいキットは多いんですけどね・・・。

境界戦機はアニメとプラモデルを同時展開しているコンテンツである。
最初に書いた通り、Twitterなどで検索をするとこの様な意見が散見される
・値段が高い
・家電量販店やおもちゃ屋の売れ残り
・売れ残って店に迷惑かけるな
・ガールガンレディの二の舞
・売れないプラモなんだからさっさと生産終了して棚と生産ラインをガンプラに分けろ
・ゴミ
などなど散々である。

ではなぜこの様な意見が散見されるのだろうか。
個人的な見解を書き連ねていこう。

このような意見が散見されるのはやはり「ガンプラ」が絡んできてるだろう。

ガンプラはコロナ禍になって家で籠りながら出来る趣味として需要が増えてきたと言われている。しかしそれより少し前から存在していた勢力がある。
そう、「転売ヤー」だ。
ボクの記憶が正しければ『ガンダムビルドダイバーズRe:RIZE』終盤頃から新作プラモの即日売り切れはあったと思われる。その頃から転売ヤーと言うのは色々な所で問題視されていた。
そこにコロナ禍の巣籠り需要で「ガンプラをやってみよう」と思う層が増えたらどうなるだろう?
「需要がある=転売すれば利益に成りえる」と言う図式が転売ヤーの中で完成してしまう。その為、予約・発売日当日に転売ヤーが買い占め、フリマサイトで高値で出品される。その買い占めのせいで本来買いたい・買えてた層は買えなくなってしまう。その上、再販は中々されず、店頭販売される数も少ない(これに関しては有名なたまごっち事件があるためどこの企業も生産数には慎重になってしまっている背景がある)。
今までいつ何時おもちゃ売り場に行っても買えてた趣味の物がある時を境に欲しかったら頑張って予約開始時間に張り付いて予約しなければならない。それが出来なければ発売日に頑張って開店ダッシュをキメないといけない。
しかしそれが出来ない、したのに買えないといった現象が起きたらどうだろう?
それはもう段々と疲れていき、不満は溜まり、それはどこかにぶつけて発散させないと耐えられなくなるだろう。

そんな時に現れたのが『境界戦機』である。
バンダイガンプラ以外の新規プラモデルコンテンツとして出たソレは『ガールガンレディ』を思い出す人も少なくなかっただろう。

ガンプラが品薄な状態で商品棚に大量の境界戦機のプラモが入り始めるとどうなるか?
貪欲にロボプラを求める層には悪くはない話だろう。
しかし「ガンプラ」を作りたい層には「ロボプラ」ではなく「ガンプラ」が組みたい層が多いのは事実であろう。
ガンプラが品薄で買えない状態でバンダイがどこの馬の骨とも知れない新規のプラモデルが展開される。
しかも境界戦機はあまり売れているようには見えず商品棚にどんどん溜まっていく。
そうなると「そんな売れないプラモを作るくらいならガンプラに生産ラインを譲ってガンプラをもっと売ってくれ」と言う不満が出るのは仕方ない話であろう。
しかもアニメの評価があまりよろしくない、そういう噂を聞くと余計に「売れない作品」という先入観が深くなってしまう。

元を辿れば転売ヤーが悪いのは事実である。
しかしこの一件は「ガンダム」と言うブランドのネームの大切さや、バンダイの出すリアルロボットプラモデルが「ガンプラ」である事の意味の重要性を痛感させられてしまう出来事である。



ここまではネガティブな意見がどうして見られるのかであったが、では実際組んでみた人はどう思っているのか。
Twitterで調べてみると実はポジティブな意見が多い。
この作品の良い点としても上げたようにやはりメカデザインが良いのは事実である。しかもガンプラのノウハウがあるバンダイが作っているプラモなので組みやすく、クオリティが高いのは事実だろう(伝説のキットである紫々部シオンから目をそらしながら)。
HGキットは安くても一体2000円くらいからと安いHGガンプラが2体買えてしまうため価格設定がやや高いのは事実だろう。しかしそれはそもそもとしてガンプラが安すぎるというのもあるため、他社ロボプラと比べるとやはりリーズナブルであるのは事実である。
なので「ガンプラ」だけに固執せずに組んでみるのもアリだと思われる。

まとめ

ここまでこの作品のアニメ・プラモの個人的見解を書き連ねてきたが、やはり「百聞は一見に如かず」と言う事になるだろう。
何事もまずは自分から突っ込んでみて自分の意見を持つことが大切である。

長々とした駄文になってしまったが今回はこの辺りで締めたいと思う。

皆さんも年末年始は境界戦機のアニメを見ながら境界戦機のプラモを組んで、日本人と誇りを取り戻し、日本人の精神を磨き、真の日本人になろう。

では今回は終わりである。
ここまで読んでいただきありがとうございます。